Bitcoinが過去の弱気相場と同様のパターンをたどれば、10月に3万8000〜3万9000ドルまで下落する可能性がある。デジタル資産投資会社のNYDIGは、足元の相場軟調の主因について、単なるリスク回避ではなく需給構造の変化にあるとの見方を示した。
Bitcoin Magazineが15日付で伝えたところによると、NYDIGは最近公表したリポートで、足元のBitcoin安が過去の下落サイクルに似た動きになっていると分析した。
Bitcoinは足元で6万4809ドル前後で推移し、年初来では約30%下落。2025年10月に付けた過去最高値12万6080ドルからは約50%安の水準にある。NYDIGは、2026年のBitcoinのリターンが米国債や銀、スイスフランも下回り、主要資産の中で最も低調だったと指摘した。
これまでBitcoinは、ハイテク株などのリスク資産と連動しやすいとみられてきた。ただ、今年はAI関連株が堅調に推移する一方で、暗号資産市場は相対的に弱い動きが続いた。NYDIGはこの乖離について、投資家のリスク回避姿勢よりも供給面の構造要因が大きいとみている。
リポートでは、今回の調整局面が2014年、2018年、2022年の弱気相場に近い形になってきたと整理した。NYDIGは「2025〜2026年のBitcoin調整は、過去のリセット局面を想起させる」としたうえで、「時期と構造の両面で過去サイクルに近づいている」と説明した。一方で、今回の下落が過去と全く同じ経路をたどるとは限らないとも付け加えた。
そのうえで、2022年の弱気相場と同程度の調整が再現された場合、今回サイクルの下値メドは3万8000〜3万9000ドルになる可能性があると試算した。4万ドル割れも視野に入る水準だ。
もっとも、ボラティリティの低下は過去局面との違いとして挙げた。NYDIGによると、Bitcoinは2025年に過去最低水準のボラティリティを記録しており、今回の弱気相場は従来より緩やかに進む可能性がある。調整期間は長引いても、下落率そのものは過去サイクルより小さくなる余地があるという。
資産間の相関にも変化がみられる。NYDIGは、2026年第2四半期に入ってBitcoinと金の価格相関が高まったと明らかにした。両資産がそろって売り圧力を受けたことが背景とみられる。Bitcoinはこれまで「デジタルゴールド」とも呼ばれてきたが、2025年にはハイテク株を中心とする米株市場との相関が高かった。
2026年第2四半期は商品市場全体も軟調だった。NYDIGは、2025年に市場をけん引した「通貨価値の希薄化(デベースメント)取引」も勢いを失ったとして、Bitcoinの不振を単独要因だけで説明するのは難しいとした。
一方、相場回復の支えとしては、米国の規制環境の変化が挙がっている。Bitwiseは先週公表したリポートで、Bitcoinは2026年第2四半期を経て深く長い弱気相場を経験したと指摘した。そのうえで、暗号資産に前向きな立法が進めば、早期回復を支える前提条件が整うと評価した。
NYDIGも、市場構造法案である「クラリティ法案」をデジタル資産業界にとって最も重要な先行材料と位置付けた。Bitcoin自体への直接的な価格影響は、アルトコインや暗号資産関連株ほど大きくない可能性があるとしつつも、米国で市場構造の枠組みが明確になれば、業界全体に恩恵が及ぶとの見方を示した。
短期的には、需給面の重さと過去サイクル再現への警戒がBitcoin相場の下値を意識させそうだ。もっとも、制度面の整備が進めば、Bitcoin単体より先に暗号資産業界全体の投資環境が改善に向かう可能性もある。