Teslaの限定車「Model S Plaid Signature Edition」が、米中古市場で25万9995ドルで出品された。新車価格の15万9420ドルを10万ドル超上回る水準で、再販禁止条項やFSD、無料スーパーチャージング特典の継承可否にも関心が集まっている。
米Electrekなどが15日(現地時間)に報じた。同モデルは、TeslaがModel Sの生産終了を前に投入した実質的な最終限定版の1つとされる。
出品車両はニュージャージー州の販売店「J&S Autohaus」に登録されており、走行距離は300マイル(約500キロ)。販売価格は25万9995ドルで、新車価格を10万ドル以上上回る。
もともと同モデルは、標準仕様のPlaidに比べて約5万ドル高い価格設定だった。今回の出品価格には、そこからさらに上乗せが生じている格好だ。
もっとも、この価格は希少性だけでは説明しきれない。TeslaはModel SとModel XのSignature Editionを、それぞれ250台、100台の限定で生産した。ガーネットレッドのボディーカラーやゴールドのアクセント、カーボンセラミックブレーキを採用し、無料スーパーチャージングと完全自動運転(FSD)も含まれている。
注目されるのは再販制限の扱いだ。Teslaは招待を受けた購入者に限って販売し、購入手続きの際に再販禁止に関する合意書への署名を求めた。この合意書には、Teslaに優先買い取り権を与えるほか、オーナーが転売した場合には、Teslaが差し止めを求めたり、5万ドル以上の違約金を請求したりできる内容が盛り込まれている。
この合意に違反した購入者は、今後Tesla車の購入対象から外される可能性もあるという。
新たな所有者に主要特典がそのまま引き継がれるかどうかも不透明だ。合意内容によると、所有権移転後もメンテナンス関連の一部特典やホイール・タイヤ保護、フロントガラス保護プランは自動的に継承される。一方で、FSD、無料スーパーチャージング、プレミアム・コネクティビティは、所有権が移転した時点で終了するとされている。
このため、今回の出品価値は車両そのものの希少性だけでなく、付帯特典が維持されるかどうかにも左右される可能性がある。Teslaは過去にも無制限スーパーチャージングの権利移転を認めなかった例があり、今回も条項を適用する可能性は否定できない。ただ、再販禁止条項や5万ドルの違約金が実際に執行されるかどうかは、現時点では明らかになっていない。
希少性と価格差の大きさも見逃せない。Model Sの最終限定版という象徴性を持つ一方、2012年型のModel S Signature Editionは現在、中古市場で2万ドルを下回る水準で取引されている。初期のSignature Editionの相場を踏まえると、今回の価格がどこまで維持されるかは不透明だ。
一方、TeslaはModel Sの生産ラインをすでに撤去し、同施設で今後ヒューマノイドロボットを生産する計画を明らかにしている。今回の出品は、Model S最終ロットを巡る希少性取引であると同時に、車両販売後もソフトウェアや充電特典をどこまで統制できるかを示すケースとしても注目される。