Volvo Group(写真=Shutterstock)

Volvo Groupが、サプライヤーとの取引に活用する独自暗号資産の試験を進めていることが分かった。参加者を限定したブロックチェーン環境で決済と情報管理を一体化し、サプライチェーン取引の効率化につなげる狙いだ。

ブロックチェーン専門メディアのU.Todayが同日、報じた。Volvo Groupは、資材サプライヤーや物流事業者との取引を簡素化する手段として、閉鎖型ブロックチェーンの活用を検討しているという。

この構想は、ベルギーの物流運用部門で情報管理や人工知能(AI)、分析を担当するイバン・ブランコ氏が最近のインタビューで明らかにしたものだ。ブランコ氏は、Volvo Groupがサプライチェーンの非効率を減らす手段として分散台帳技術に注目し、サプライヤー取引用の独自暗号資産を開発していると説明した。

同社は、技術そのものよりも業務上の必要性を重視している。ブランコ氏によると、ブロックチェーンを含む複数の技術を評価する際は、まず事業上の価値と具体的な要件を見極め、現場業務をどう支援できるかを基準に判断しているという。

特に課題視しているのが、サプライチェーン取引の複雑さだ。ブランコ氏は、物流事業者の一部とともに、資材サプライヤー、物流事業者、Volvo Groupの間の取引を、ブロックチェーン基盤の閉鎖環境で処理できるかを検証してきたと述べた。その過程で、実証の目的に合わせた独自暗号資産を設計し、取引手続きの複雑さを減らせるかどうかを検討している。

構想の中核は、決済と情報管理を一つの仕組みに統合する点にある。ブランコ氏は、サプライヤーとVolvo Groupの取引・精算に使う共通手段として暗号資産を用いる一方、輸送注文に関するすべての情報を同じ台帳に記録する方式だと説明した。

Volvo Groupはまた、ブロックチェーンが暗号資産の投機と同一視されることも導入の障壁だとみている。ブランコ氏は、ブロックチェーンは投機にしか結び付かないという誤解が最大の障害だと指摘した。その上で、部門ごとに分かれた運用を見直し、連携を重視する体制へ移るなかで、ブロックチェーンをセキュリティと安定性を高める手段として活用する考えを示した。

今回の試みは、公開型の暗号資産エコシステムへの参入を目指すものではない。複雑なサプライチェーンのなかで、限られた参加者が同じ台帳と同じ決済手段を共有できるよう設計することに重点がある。焦点はトークン発行そのものではなく、サプライヤー間の精算と輸送注文情報の管理を単一の仕組みで運用できるかどうかにある。

Volvo Groupは、ブロックチェーンを独立した技術としてではなく、既存の情報管理・分析基盤に組み込む形で検討している。独自暗号資産の試験が実運用に移るか、またサプライヤーの参加範囲をどこまで広げるかが今後の焦点となる。

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