Apple Watch Series 11(写真=Apple、資料写真)

Appleが今秋に発表するとみられる「Apple Watch Series 12」で、性能や電池持ち、健康機能の強化が進む可能性が浮上している。新型チップの採用やバッテリー改善に加え、高血圧通知機能の拡充も注目点となる一方、Touch ID搭載は見送られるとの見方が強まっている。

米ITメディアの9to5Macは15日(現地時間)、今年のApple Watchは実質的なチップ刷新と電池持ちの改善が主眼になるとの見通しを伝えた。

最大の注目点として挙がっているのが新チップだ。Apple Watch Series 9、10、11では同系統のチップが使われてきたが、Series 12では久々に性能向上を明確に打ち出せる新チップが搭載される可能性があるという。

Macworldも、Apple Watch向けで実質的に新しいプロセッサが導入されたのは、2023年のApple Watch Series 9が最後だったと指摘している。当時の更新では、CPUとGPUの性能が引き上げられた。

こうした動きは、今後のAI機能強化とも無関係ではない。AppleはwatchOS 27でApple WatchにSiri AIを導入すると取り沙汰されており、その実現には端末側の処理性能の底上げが重要になるとの見方が出ている。

Apple Watchが単なる通知デバイスにとどまらず、より多くのオンデバイス処理を担うようになるには、チップ性能の向上が前提になるというわけだ。

バッテリーもSeries 12の重要な改良ポイントとみられている。報道によれば、Appleはバッテリー容量の拡大に加え、ほかの部品の電力効率改善も進めているという。

睡眠トラッキングなど機能の拡充が続く中、駆動時間の延長が優先課題になっていることも背景にある。

健康機能では、高血圧関連機能の動向が注目されている。DigiTimesは、Appleが新たな高血圧通知機能を米食品医薬品局(FDA)の審査に提出したと報じた。

watchOS 26でも高血圧通知機能は追加されているが、新機能が現行の仕組みとどう異なるのかは明らかになっていない。

現在のApple Watchの高血圧機能は、実際の血圧値を表示するものではない。心拍センサーが収集したデータを基に、30日間の評価期間中に「高血圧パターン」を検知した場合、ユーザーに通知する仕組みとなっている。

非侵襲の血糖測定機能についても開発は続いているが、商用化にはなお数年かかるとみられている。

ソフトウェア面では、新しいウォッチフェイスも取り沙汰されている。Bloombergは、Appleが「モジュラー・ウルトラ」のデザインを簡素化した新たなウォッチフェイスを開発中だと報じた。

Apple Watch Ultraで人気を集めたモジュラー・ウルトラを、通常のSeries向けに調整した仕様になる可能性があり、Series 12の発表イベントであわせて披露されるとの見方もある。将来的には、ほかのApple Watchモデルに展開される可能性もあるという。

一方、これまで指摘されてきたTouch ID搭載の可能性は後退している。足元の観測では、Appleは同機能の採用を見送ったとされる。

バッテリー容量の拡大や新たな健康機能の追加を優先した結果である可能性がある。

Series 12は「Apple Watch Ultra 4」とともに9月に発表される見通しだ。外観の大きな刷新よりも、性能や電池持ち、健康機能の底上げに軸足を置く世代交代になるかが焦点となりそうだ。

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