Rakuten Walletは、SHIB(シバイヌ)をモチーフにした記念コインを公開した。コレクター向けの「Real Coin」シリーズ第5弾に当たり、今後は楽天の会員基盤を生かしたオフライン施策に活用する方針だ。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが15日に報じた。今回のコインは、トークンや決済手段として機能するものではなく、金属製の記念品。楽天グループが抱える約4400万人規模のリテールエコシステムでの販促展開を視野に入れている。
Rakuten Walletによると、今回のSHIBコインでは、「Real Coin」シリーズで初めてブラスト加工を採用した。これまでのビットコイン、イーサリアム、XRPの記念コインとは異なり、マットな質感と独特の手触りを打ち出したという。
社内テストでは好意的な評価を得たとしており、今後はライブプレゼンテーションやオフラインイベントで活用する計画。大規模なグッズ配布キャンペーンも準備しているという。
こうした動きの背景には、日本の暗号資産規制の見直しもある。同日には、暗号資産を金融商品取引法の枠組みに組み込む改正案が国会で可決されたと報じられた。
改正により、未公表の重要情報を利用した取引は刑事罰の対象となるほか、資産発行体には上場企業に近い水準の情報開示が求められる。無登録で運営する取引所に対しても、多額の罰金や実刑が科される可能性がある。
あわせて、暗号資産の現物ETFを巡る制度整備も進んだ。ただし、実際の商品化には別途、個別の規制上の承認が必要になる。
日本市場では規制の不確実性が後退する一方で、事業者に求められる責任や参入障壁は高まる見通しだ。
楽天がSHIBを前面に押し出す背景には、すでに進めているサービス連携がある。楽天は今春、SHIBへの対応を追加し、利用者が楽天ポイントをSHIBに交換できるようにした。
交換したSHIBは、Rakuten Payの決済ネットワークを通じて、全国約500万カ所の小売拠点で利用できる仕組みにつながっている。
このため、今回の記念コイン投入は単なるグッズ展開にとどまらず、小売顧客の獲得競争の一環とみられる。日本では規制整備と現物ETFの制度基盤づくりが並行して進んでおり、個人投資家との接点を巡る競争は一段と激しくなりそうだ。
Rakuten Walletは、数百万個規模の配布キャンペーンを通じてSHIBの認知拡大を図り、自社の決済・ポイント経済圏への取り込みを進める考えとみられる。
もっとも、今回の製品はあくまで実物の収集品であり、ブロックチェーン機能やオンチェーンでの用途は持たない。それでも、Rakuten Walletが楽天エコシステムの中でSHIBの露出を強め始めたことは明らかで、制度整備の進展とともに大手プラットフォーム各社の顧客獲得競争はさらに熱を帯びそうだ。