BlackRockのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、ビットコイン市場を巡る過度なレバレッジへの懸念が以前より和らいだとの認識を示した。投機的な持ち高の整理が進み、足元の価格帯では値動きが安定してきたという。
ブロックチェーン専門メディアのU.Todayが15日(現地時間)に報じたところによると、フィンク氏はCNBCのインタビューで、投機筋のポジション整理後、ビットコインは現在の価格帯で以前より安定して推移していると述べた。
フィンク氏はこれまで、ビットコインを含む暗号資産市場のレバレッジ構造に警戒感を示してきた。インタビューでは「常にビットコインと暗号資産市場のレバレッジを懸念してきた」と語り、過度なレバレッジ取引が市場不安の主因の一つだとの見方を改めて示した。
一方で、足元では市場構造に変化が見られると指摘した。レバレッジや投機的な持ち高の整理が進んだ結果、現在の価格帯ではビットコインの安定性が高まったとしている。短期的な急騰・急落そのものよりも、レバレッジ縮小と投機ポジションの解消が市場安定化にとって重要だとの認識をにじませた。
ただ、同インタビューの主題は暗号資産ではなくAIだった。フィンク氏は、コンピューティングインフラの需要が依然として供給を上回っているとしたうえで、米国がこの分野で出遅れるリスクがあると指摘。今後12カ月の市場見通しについては、非常に楽観的だと述べた。
BlackRock社内でのAI活用にも言及した。直近12カ月で同社の利益率が260ベーシスポイント(bp)改善したとし、その背景として技術活用の拡大を挙げた。AIの導入により、より多くの取引や業務を処理できるようになったという。
フィンク氏はかつて暗号資産に懐疑的な立場を取っていた。2017年にはビットコインを「資金洗浄の指標」と批判したこともある。もっとも、2023年以降は見方を転換。BlackRockはビットコイン現物ETFの立ち上げを後押しし、同氏自身もビットコインを「国際的な資産」と位置付けるようになった。
その後は、通貨価値の毀損に対するヘッジ手段となり得るとして、ビットコインを「デジタルゴールド」であり、ポートフォリオ分散に資する資産だと評価してきた。
今回の発言は、フィンク氏の視点が単なる懐疑論から一歩進み、市場構造や資産としての役割を見極める段階に移っていることを印象づけた。市場では、BlackRockトップによる安定性評価が、今後の投資家心理や機関投資家マネーの流れにどう影響するかに関心が集まりそうだ。