Strategyのポン・レ最高経営責任者(CEO)は、ビットコイン価格が8,000〜1万ドル水準まで下落しない限り、同社の財務に大きな懸念はないとの見方を示した。30億ドルの準備金確保や優先株「STRC」の活用を通じ、下落局面に耐えうる資本構成の構築を進める考えも明らかにした。
CoinPostが16日(現地時間)に報じたところによると、レ氏はBloomberg TVのインタビューで、同水準を財務安定性の防衛ラインとして示した。
レ氏は「ビットコインが8,000〜1万ドルに達して初めて、負債に伴うリスクを検討することになる」と述べ、「それまではバランスシートを懸念していない」と語った。目指すのは、弱気相場に耐えながら、強気相場では上昇の恩恵を取り込める資本構成だと説明した。
同社は現在、84万BTCを保有する。レ氏は、目標は単にビットコインを保有することではなく、ビットコインのパフォーマンスを継続的に上回ることにあると述べた。Strategy株の時価総額が保有ビットコインの価値を上回る限り、株主が同社の付加価値創出能力を評価していることを意味すると説明した。
市場の関心は、保有規模だけでなく資金調達の構造にも向かっている。同社は最近、30億ドル規模の準備金を積み上げた。レ氏は、これを優先株「STRC」を下支えする中核手段と位置付けている。STRCは年率13%の配当を提供する一方、ビットコインの追加購入資金を供給する仕組みだという。
さらにレ氏は、この数カ月でドル建て資金へ機動的にアクセスできる体制の重要性を学んだとし、今後も準備金の拡大を続ける方針を示した。ビットコイン購入の拡大に加え、優先株の流動性管理も戦略の重要な柱になったとの認識を示した。
同社はあわせて「バベル戦略」の概要も公表した。30億ドル規模の準備金を流動性と安定性の基盤とし、550億ドル規模のビットコイン準備金を上昇余地を取り込む資産として組み合わせる構造で、脆弱な中間領域を避ける設計だとしている。
市場では、Strategy株価とビットコイン保有額の関係を示す純資産価値倍率(mNAV)にも注目が集まっている。mNAVは6月末に1倍を割り込んだ後、足元では1.02倍に回復した。一方、MSTR株は年初来で約38%、直近12カ月では約78%下落している。
株価低迷と優先株を巡る不安が重なるなか、同社は現金の積み増しとビットコイン保有の拡大を両立する財務戦略で、市場の信頼回復を狙う。
レ氏は、自身の業務時間の約半分を既存のソフトウェア・AI事業に、残る半分をビットコイン関連業務に充てていることも明らかにした。上場企業の運営で25年の経験を持ち、法務、財務、エンジニアリングの機能を備えたチームが、暗号資産専業企業とは異なる運用規律を支えている点も強調した。
今後は、ビットコイン下落局面でもSTRCの流動性を安定的に維持できるかに加え、準備金の拡大が株価とmNAVの持ち直しにつながるかが焦点となる。