Anthropicが年内の新規株式公開(IPO)に向けた準備を本格化している。主幹事は潜在投資家と経営陣の面談を調整しており、上場時期は早ければ10月になるとの見方も浮上している。
15日付のCNBCによると、主幹事は投資家需要を見極めるため、潜在投資家とAnthropic経営陣の面談を進めている。正式なロードショーや売り出し手続きに先立ち、市場の反応を探る段階とみられる。
Anthropicは先月、米証券取引委員会(SEC)にIPOの証券届出書を非公開で提出した。ただ、上場時期は明らかにしていない。Bloombergはこれまで、早ければ10月にも上場する可能性があると報じている。Anthropicの広報担当者はコメントを控えた。
準備が前進するなか、AnthropicがOpenAIに先んじて上場する可能性も強まっている。OpenAIも6月にSECへIPO関連書類を非公開で提出したが、その後のスケジュールは公表していない。Anthropicが先行上場すれば、AI投資ブームが一服した場合でも相対的に有利な立場を確保できるとの見方がある。
Anthropicの上場は、6月のSpaceXの大型IPOに続く動きとしても注目されている。AI業界の主要企業はこれまで未上場のまま巨額の資金を調達してきたが、足元では公開市場を目指す動きが広がりつつある。
Anthropicは2021年、OpenAI出身の経営陣と研究者が設立した。設立の背景には、会社の方向性に対する懸念があったとされる。その後は法人顧客を中心に事業を急拡大し、コーディング支援サービス「Claude Code」が初期の成長を支えたという。
資金調達規模も膨らんでいる。Anthropicは5月、650億ドル規模の資金調達を完了し、企業価値は9650億ドルと評価された。これは同時期のOpenAIの8520億ドルを初めて上回る水準だ。
未公開市場で高い評価を得たことで、上場プロセスではAnthropicがAI関連の中核銘柄として位置付けられるかも焦点となる。
IPO準備にはGoldman Sachs、Morgan Stanley、JPMorgan Chaseなど、ウォール街の大手投資銀行が参加している。AI投資ブームによる資金需要の拡大は、関連投資やヘッジ手段を提供する金融機関の業績回復にも寄与している。
Anthropicの上場は単なる資金調達にとどまらず、AI企業の公開市場への流れを占う試金石となる可能性がある。今後の焦点は、実際の上場時期と公募の成否、そしてOpenAIの後続上場のスケジュールになりそうだ。