水原地裁は、Samsung ElectronicsからSK hynixに転職した元社員2人について、競合先での就業を退職後1年6カ月にわたって制限する仮処分を一部認めた。Samsung Electronicsが求めた2年間の就業禁止については、期間を短縮した。
法曹関係者によると、水原地裁民事31部(シン・ウジョン部長判事)は13日、Samsung Electronicsが元社員2人を相手取り申し立てた転職差し止めの仮処分を一部認容した。決定では、2人に対し、退職から1年6カ月後に当たる2027年4月30日まで、SK hynixおよび関連会社での就業や助言などの役務提供を禁じた。
あわせて、決定に違反した場合は、1日当たり500万ウォンをSamsung Electronicsに支払うよう命じる間接強制も出した。
仮処分の対象となった2人は、Samsung Electronicsのメモリー事業部で約10~11年勤務し、NANDフラッシュの中核設計を担っていた。次世代製品の設計方針や開発日程など、競合他社に渡ればSamsung Electronicsの競争力低下につながり得る情報を扱っていたとされる。
2人は2025年10月にSamsung Electronicsを退職し、2026年2月にSK hynixへ転職した。
争点となったのは、入社時に結んだ「退職後2年間は競合他社に就業しない」とする合意の効力を、どこまで認めるかだった。近年は、裁判所が職業選択の自由を重視し、企業による転職禁止の請求を厳格に判断する傾向にあるが、今回はSamsung Electronics側の主張の大筋を認めた形だ。
裁判所は、NANDフラッシュ設計が国家中核技術に当たることに加え、2人が中核設計情報を把握していた点、Samsung Electronicsが2人を中核人材として別途管理してきた点を判断の根拠に挙げた。さらに、転職準備を進めながら、進学などを理由に会社側へ実情を伝えず退職した点も不利な事情として考慮されたという。
決定では、当該技術について「国家中核技術ないし国家先端戦略技術に当たり、保護価値が大きい」と指摘。その上で、競合先に技術情報が露出すれば、同等水準の技術確保に要する期間を短縮させる一方、申立人には相応の競争力低下をもたらすと判断した。
また、半導体業界の競争が激しい中、公正な市場秩序を維持する必要があるとし、転職禁止条項が債務者の職業選択の自由を一部制限する側面があるとしても、そのことだけで効力が否定されるわけではないとした。
一方で、Samsung Electronicsが主張した2年間の転職禁止期間については、技術保護の必要性は認めつつも、2年間にわたり競合就業を禁じることは職業選択の自由を過度に制約するおそれがあるとして、1年6カ月に短縮した。