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中国の人工知能(AI)企業Z.aiの共同創業者タン・ジエ(Jie Tang)氏が、最先端AIは可能な限り広く公開し、誰もが利用できる形にすべきだとの考えを示した。各国政府や主要AI企業が、高性能モデルの悪用リスクを理由にアクセス制限を強める中、これとは対照的な開発方針を打ち出した格好だ。

Gigazineが現地時間13日に報じたところによると、タン氏は最近の社内メモで、最先端AIの能力を広く開放し、未来への道を開く必要があると強調した。最先端AIは一部の企業や国家に囲い込まれるのではなく、幅広い利用者に開かれた形で発展すべきだとの認識も示した。

この発言は、中国政府が最先端AIモデルについて、海外からのアクセスを制限する方策を検討していると報じられた直後に伝えられたものだ。AI業界では足元、高性能モデルの安全性と開放性をどう両立させるかを巡る議論が一段と活発になっている。

既存システムの脆弱性発見や高度なサイバー攻撃に活用し得るAIモデルが登場する中、一部の国では国家安全保障の観点からアクセス規制を強化する動きが出ている。

実際、米AI企業Anthropicは、サイバー対応能力を強化したモデル「Claude Mythos 5」を公開した後、米国外からの利用や外国籍ユーザーによる利用を制限した。報道では、同モデルが高度なサイバー能力を提供し得る点が、規制理由として挙げられている。

一方、こうした規制強化には異論もある。米国と同盟国の技術専門家は公開書簡で、サービス遮断やアクセス制限が、防御側よりも攻撃側に有利な環境を生みかねないと主張した。

これらの専門家は、「Claude Fable」と「Mythos」に対する利用制限がサイバー攻撃者を利する可能性があると指摘。セキュリティ研究や防御目的での活用まで萎縮させる恐れがあると訴えた。

タン氏の発言は、中国AI業界に見られる比較的開放的な開発路線とも重なる。Z.aiは、脆弱性探索ベンチマークでAnthropicの「Claude Code」を上回る性能を記録したとされる「GLM-5.2」を開発した企業として知られる。

同社は、清華大学教授でもあるタン氏の研究室を源流とするスタートアップとされる。

中国のAI企業は、米競合に比べてオープン戦略に積極的な姿勢を示してきた。DeepSeekは推論モデル「R1」をオープンソースで公開し、Tencentも最近、高性能なオープンモデルを発表するなど、開放型AIエコシステムの拡大を後押ししている。

Z.aiは短期的な収益化よりも研究開発を優先する方針も示した。タン氏は、今後2年間は自社AIモデルの収益化を最優先課題にせず、長期課題の解決や自律型エージェント、完全自己学習型AI技術の開発に注力すると述べた。

今回の発言は、単なる開放方針の表明にとどまらず、安全保障や規制強化の流れの中で、中国AI企業がどの技術戦略を選ぶのかを示す事例としても注目される。最先端AIをどこまで公開するのかを巡り、各国の規制と企業のオープン戦略のせめぎ合いは今後も続きそうだ。

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