Berkshire Hathawayが2026年に入って米株式市場の代表指数であるS&P500に出遅れている。ハイテク株主導の相場が続くなか、年初来のパフォーマンス格差が広がっており、市場ではウォーレン・バフェット氏からグレッグ・アベル氏への後継体制移行や、同社の投資戦略に対する見方にも関心が集まっている。
12日のCryptopolitanによると、Berkshire HathawayのB株は年初来で1.8%下落した。一方、S&P500は10.7%上昇した。
配当込みでみると、差はさらに広がる。S&P500のトータルリターンは11.4%となり、Berkshire Hathawayは株価ベースで12.4ポイント、配当込みでは13.1ポイント下回った。
両者の差は6月1日時点で17.5ポイントまで拡大し、年初来で最大となった。その後は6月の反発でやや縮小したものの、出遅れの構図は変わっていない。
とりわけ第2四半期と、その後の10日間で差が目立った。Berkshire Hathawayの上昇率は3%強にとどまったのに対し、ハイテク株の比重が高いS&P500は約16%上昇した。
3月末時点では、Berkshire HathawayがS&P500を1.8ポイント上回っていたが、その後に逆転を許した。
背景には、大型ハイテク株が相場をけん引する市場環境がある。2025年もBerkshire Hathawayは株価ベースでS&P500を5.5ポイント下回り、配当込みでは差が7ポイントに広がっていた。
相対的な劣後が2年続いたことで、市場の関心はBerkshire Hathawayの競争力だけでなく、バフェット氏の後継となる経営体制にも向かっている。
こうしたなか、グレッグ・アベルCEOとテッド・ウェシュラー氏は、アイダホ州サンバレーで開かれたAllen & Co.のカンファレンスに参加した。
同イベントにはジェフ・ベゾス氏、マーク・ザッカーバーグ氏、サム・アルトマン氏らも参加した。投資家は、バフェット氏からアベル氏への継承プロセスとあわせ、Berkshire Hathawayが成長株主導の相場にどこまで対応できるかを見極めようとしている。
もっとも、長期でみればBerkshire Hathawayの実績は依然として際立つ。1965年以降の年平均複利リターンは19.9%で、S&P500の長期リターンをほぼ2倍の水準で上回ってきた。
バフェット氏は、恐怖心理から株価が企業の本質価値を下回った局面で優良企業を買う手法で、こうした実績を築いてきた。
同氏はこれまで、頻繁な売買よりも忍耐を重視してきた。「株式市場は、せっかちな人から忍耐強い人へお金が移るようにできている」との考えを示したことがある。
また、「他人が貪欲なときは恐れ、他人が恐れているときにこそ貪欲であるべきだ」とも語っている。
Berkshire Hathawayは2008年の金融危機時、Goldman Sachsに50億ドルを投じた。金融株が急落する局面だったが、年10%の配当が付く優先株と、将来普通株を取得できるワラントを確保し、最終的に30億ドル超の利益を得たという。
バフェット氏は株価が急落した局面でも、まず事業そのものが揺らいでいるかを見極めた。Coca-Colaの飲料需要やAmerican Expressのカード利用は、株価が30%下落したからといって落ち込むわけではない。そうであれば、問題は企業ではなく市場価格にあると判断した。
1973年のWashington Postへの投資も同じ発想だった。Berkshire Hathawayは大規模な売りのなかで1060万ドルを投じ、バフェット氏は当時の株価が企業価値の4分の1にすぎないとみていた。
買い付け後に株価がさらに下落しても、Berkshire Hathawayは保有を維持した。1985年には持ち分の価値が2億ドルを超え、利益率は約1900%に達した。
足元でも、市場ではバフェット流の「忍耐」戦略の有効性を巡って見方が分かれている。ただ、少なくとも今年に限れば、ハイテク株中心の相場が続くなかでBerkshire Hathawayは市場に追随できておらず、後継体制と投資戦略の双方が改めて問われている。