Samsung Electronicsが次世代スマートリングの開発を進めていることが分かった。競争が激しくなるスマートリング市場で、次期モデルではAIを活用した健康管理機能の強化に加え、電池性能や対応プラットフォームの拡大が焦点になりそうだ。
TechRadarが11日付で報じたところによると、Samsung Electronicsでデジタルヘルスチームを率いるホン・パク上級副社長はForbesのインタビューで、「次世代製品を開発中だ」と明らかにした。製品名や発売時期には触れていないが、業界では次期スマートリング「Galaxy Ring 2」を念頭に置いた発言との受け止めが広がっている。
Galaxy Ring 2が投入される市場環境は、初代モデル発売時とは大きく異なる。Ouraに加え、RingConnなどの競合も相次いで新製品を投入しており、市場の競争は一段と激化している。このため後継機では、単なるハードウェアの改良にとどまらず、製品戦略全体での差別化が重要になる。
注目点の一つがサブスクリプション戦略だ。足元では、健康データの分析や詳細レポートを月額課金で提供するモデルが広がっている。Ouraは月額5.99ドル(約900円)のメンバーシップを展開する。一方、Samsung Electronicsは初代Galaxy Ringで主要な健康機能を別途課金なしで提供してきた。この方針を維持できれば、競合製品に対する優位性につながる可能性がある。
装着感の改善も重要なテーマだ。スマートリングは限られた筐体にセンサーやバッテリーを収めつつ、1日中身に着けることが前提の製品だけに、サイズや重量が使い勝手を大きく左右する。競合各社は小型化・軽量化を打ち出しており、Galaxy Ring 2もこうした流れに対応するとみられる。
電池性能を巡る競争も激しい。充電頻度が少ないほど、睡眠や心拍数などの長期データを途切れなく取得しやすくなるためだ。RingConnの第3世代モデルは最長12日間の使用が可能としている。業界では、Samsung Electronicsが次期モデルに全固体電池を採用する可能性も指摘されている。
対応プラットフォームの拡大も注目点となる。初代Galaxy RingはAndroidユーザーに限られていたが、Samsung ElectronicsがiPhone対応を検討しているとの見方がある。iOS互換が実現すれば、取り込める顧客層は大きく広がる可能性が高い。
健康機能でどこまで差をつけられるかも後継機の重要な論点だ。現状では、多くのスマートリングが睡眠、心拍数、活動量、ストレス、回復状態といった指標を測定しており、機能面での差がつきにくくなっている。競合各社は血管の健康状態の分析や睡眠時無呼吸のモニタリングなどを追加し、差別化を図っている。Samsung Electronicsも既存の指標を超える新機能を打ち出せなければ、買い替え需要を喚起しにくいとの見方がある。
なかでもAIは、同社が成長領域として期待を寄せる分野だ。ホン・パク上級副社長は、今後2〜3年以内にAIが個人の特性を分析し、運動や睡眠習慣の改善に向けた個別提案まで行えるようになるとの見通しを示した。健康データを要約するだけでなく、行動変容を促す「個人向け健康コーチ」としてAIが機能するようになるという。
業界では、Samsung ElectronicsがAIを実効性のある健康管理サービスへ発展させ、サブスクリプション戦略や電池性能、プラットフォーム互換性まで改善できれば、スマートリング市場での競争力をさらに高められるとみている。逆に、こうした要素で明確な進化を示せなければ、競争が深まる市場で存在感を維持するのは容易ではないとの指摘もある。
Samsung Electronicsは22日、英ロンドンで「Galaxy Unpacked」を開催する予定だ。業界では、この場でGalaxy Ring 2に関する追加情報が示されるかどうかに注目が集まっている。