Appleが昨年、半導体輸入関税の適用を免れた背景に、Intelの米国工場を活用した半導体生産計画があったことが分かった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたもので、次期MacとiPhone向けチップの一部を米国内で生産する方針が、関税免除の判断材料になった可能性がある。
9to5Macが11日(現地時間)に伝えたところによると、WSJは、Appleが米国内での半導体生産計画を示したことで、輸入半導体に対する関税負担を回避したと報じた。
報道によれば、トランプ政権は、AppleがIntelの米国生産施設を活用する案を、関税免除の事実上の前提条件として示したという。その後、AppleはIntelとの生産協力を拡大する方向でサプライチェーン戦略を見直し、半導体輸入関税の適用を受けなかったとされる。
この結果、Appleは関税コストをMacやiPhoneの販売価格に転嫁せずに済んだ。WSJは、半導体関税を理由に両製品の値上げを迫られる状況にはならなかったと伝えている。
もっとも、関税問題が解消してもコスト負担がなくなったわけではない。その後は世界的なメモリ不足が新たな課題となり、メモリ価格の上昇と供給逼迫が製造コストを押し上げたという。
今回の動きは、Appleの半導体調達戦略が、生産効率だけでなく米国の産業政策や通商政策とも密接に結び付いていることを示している。次世代MacとiPhone向けチップの一部をIntelの米国工場で生産すれば、海外生産に偏っていた体制を一部見直す可能性もある。
市場では、この契約がAppleとIntelの双方にとって転機になり得るとの見方も出ている。Appleにとっては地政学リスクと関税負担の抑制につながる一方、Intelにとってはファウンドリ事業を拡大する中で大口顧客を確保する効果が見込めるためだ。
今後の焦点は、Appleが米国内生産の比率をどこまで引き上げるかにある。サプライチェーンの安定確保と関税リスクへの対応を同時に迫られる中、生産拠点の分散は今後の半導体調達戦略の中核になるとの見方が強まっている。