ビットコインの現物ETFが、8週連続の純流出を経て、週間ベースで純流入に転じた。イーサリアムの現物ETFも同様に純流入へ反転したが、市場ではこれを機関投資家需要の本格回復とみなすにはなお慎重な見方が強い。
CryptoSlateが12日付で伝えたところによると、ビットコイン関連の現物ETF13商品には週間で計1億9700万ドルが流入した。8週間続いていた資金流出に、ひとまず歯止めがかかった格好だ。
資金フローがプラス圏に戻る中、ビットコイン価格は週間で3%上昇し、一時6万4000ドルを上回った。その後は6万3500ドル前後までやや水準を切り下げた。
週内の資金動向を見ると、週初は堅調だった。SoSoValueの集計では、7月10日を含む週の最初の取引日に2億6500万ドルが流入し、翌日にも2140万ドルが流入した。
一方、週半ばには失速した。水曜日に8480万ドル、木曜日に9500万ドルの純流出となったが、金曜日には9040万ドルの流入に戻り、週間では純流入を維持した。
イーサリアムの現物ETFも同じ流れとなった。関連商品は8週連続の純流出が止まり、週間で8442万ドルの純流入を記録した。ビットコイン、イーサリアムともに、関連商品の売り圧力がやや後退したことを示した。
ただ、市場は今回の反転を直ちに機関投資家需要の回復とはみていない。デジタル資産市場の情報企業Swissblockは、今回の弱気相場で最も強かったETFの分配圧力は一巡したとの見方を示した。その上で、ビットコインのリスク指標が投げ売り局面から和らいだことを受け、現物ETFの資金フローも小幅ながらプラスに転じたと説明した。
もっとも、市場の関心は需要の強さと持続性に移っている。8週にわたる純流出の規模が大きかっただけに、数日間の純流入だけで資金の流れが反転したと判断するのは難しいという見方が出ている。
デジタル資産分析企業Econometricsは、ビットコインが6万4000ドル近辺を維持している点について、ETF全体の資金流出を踏まえると想定外の値動きだと評価した。価格の安定が、ETF需要の回復よりも先行している可能性を示しているという。
Econometricsは「重要なのは、ETF資金が1日や2日プラスに転じることではない」とし、「累積保有残高の流れを反転させるのに十分な期間、純流入が続くかどうかが核心だ」と指摘した。直近のプラス転換が一時的な反発にとどまるのか、それとも実際の資金回帰の始まりなのか、なお見極めが必要だとしている。
Swissblockも、足元の買いの勢いはなお弱く、機関投資家の確信も明確ではないとの見方を示した。このため、今回の純流入は売り圧力の鈍化を示すシグナルとはいえるものの、トレンド転換を断定できる段階ではないとの受け止めが広がっている。
最終的な焦点は、純流入が続くかどうかだ。ビットコインの現物ETFは8週連続の不振から脱したものの、投資家が実際に組み入れ比率を引き上げ始めたかを見極めるには、今後数週間にわたって一貫した純流入が続く必要がある。今回の反発は出発点になり得る一方、現時点では悪化に歯止めがかかった段階とみるのが妥当だ。