Rippleのブラッド・ガーリングハウスCEO(写真:Wikimedia)

Rippleのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)が、米証券取引委員会(SEC)による2020年の提訴直後、廃業を含む複数の対応策を社内で検討していたことを明らかにした。保有するXRPを株主に配分して紛争の幕引きを図る案もあったが、最終的には事業継続と訴訟対応を選んだという。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが12日(現地時間)、同氏のインタビュー内容として報じた。

ガーリングハウス氏によると、当時はRippleが保有するXRPを株主に配分し、自社では保有しない形に切り替えたうえで争いを終結させる案も選択肢に上っていた。ただ、そうした判断は数百人規模の従業員の雇用に影響しかねないとして、法廷闘争を続ける道を選んだと説明した。

その後、Rippleは約4年にわたって訴訟を続け、弁護士費用として約1億5000万ドル(約225億円)を投じた。米国事業も約5年間にわたり停滞を余儀なくされたとしている。

SECはRippleだけでなく、ガーリングハウス氏個人によるXRP売却も問題視した。罰金の支払いを条件に同氏個人に対する請求を取り下げる一方、Rippleに対する訴訟は継続するとの提案もあったが、同氏はこれを拒否したという。

同氏は、SEC側の論点はXRPを通貨や商品ではなく証券とみなした点にあると指摘した。証券であれば通常、発行体に対する権利が伴うが、XRPの購入者はRippleの持ち分や議決権、取締役会への関与、配当を得るわけではないと主張した。

また、Rippleは2012年、2015年、2016年に実際に株式を売却してベンチャー資金を調達しており、株式とXRPは性質が異なると明確に区別した。

XRP Ledgerについても、Rippleが単独で支配できる仕組みではないと説明した。Rippleは相当量のXRPを保有しているものの、コードがオープンソースである以上、ネットワーク全体を一方的に統制することはできないとの見解を示した。

そのうえで、XRPは企業の持ち分というより、ビットコインに近い資産だと位置付けた。

SECとの対立の背景については、既存の金融法を新しい技術に当てはめようとしたことが根本にあると述べた。SECがなぜ敵対的だったのかとの問いに対しては、「彼らはひどい連中だ」としたうえで、本質的には旧来の金融法制を暗号資産に適用しようとした点に問題があったと語った。

さらに、インターネット産業が1990年代半ばに比較的明確な法的枠組みを与えられたように、暗号資産業界も明確な基準を求めてきたが、それが受け入れられなかったと述べた。

同氏は2017~2019年にSECを訪れた際、弁護士を同伴していなかったとも明かした。自身はXRPを証券として扱ったことはなく、当時はSEC関係者にRippleの仕組みを説明していただけだと振り返った。

「XRPが証券になり得ると、誰からも言われたことはなかった」とも述べた。

その後、SECが同氏個人とRippleをあわせて提訴したことについては、その理屈に従えばXRPを売却したすべての保有者が証券法違反に問われることになるのではないかと反論した。個人提訴は圧力をかけるための手段だったとして、SECの対応を不快で非倫理的だと批判した。

Rippleは最終的に4年に及ぶ訴訟で勝訴した。ただ、同氏によれば、当時のSEC委員長は控訴を進めようとしており、その後、ドナルド・トランプ米大統領が新たな委員長を任命して以降、対応方針が変わったという。

訴訟終盤には、新体制が暗号資産企業と直接対話する方向に動いたとも付け加えた。

今回の発言は、Rippleが訴訟初期の段階で和解や事業縮小ではなく、長期戦を選んだ判断の背景を示すものといえる。同時に、XRPの証券性を巡る論争が個別企業の問題にとどまらず、暗号資産業界全体の規制のあり方と結び付いていたことも改めて浮かび上がった。

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