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XRPを巡る需給に警戒感が強まっている。現物ETFでは資金流出に転じ、先物市場でも未決済建玉が縮小。オンチェーン指標も弱含む。一方、XRPLでは機関投資家向けの機能拡張やトークン化資産の活用が進んでおり、こうした動きが実際の需要回復につながるかが注目点になっている。

CryptoSlateが12日付で報じたところによると、10日までの週のXRP現物ETFは720万ドル(約11億円)の純流出となり、9週連続の純流入が途切れた。世界のXRP先物未決済建玉も、6月の約30億ドル(約4500億円)から7月中旬には23億ドル(約3450億円)前後まで縮小した。

今回の週間純流出は、今年のXRP現物ETFとしては比較的大きい部類に入る。ただ、SoSoValueの集計では累計純流入は14億8000万ドル(約2220億円)を維持しており、週末時点の運用資産総額は10億ドル(約1500億円)に迫った。長期資金の流れが反転したというより、短期的な需要の鈍化が示された格好だ。

デリバティブ市場では、レバレッジ縮小の動きがより鮮明だ。Coinglassによると、世界のXRP先物未決済建玉はこの1カ月で約7億ドル(約1050億円)減少した。Binanceでも、6月中旬に5億ドル(約750億円)を超えていた未決済建玉が、10日には3億9900万ドル(約599億円)まで減った。

その一方で、BinanceのXRPファンディングレートはこの1週間で266%上昇した。建玉が減るなかで、強気ポジションの維持コストは上昇した計算になる。

この局面ではロングの清算も急増した。ロング清算額は前回比94%増となり、直近3カ月平均を172%上回った。一方、ショート清算は半分超減少した。強気ポジションにコスト負担が偏る構図となっており、価格がさらに下落すれば追加のロング清算を招きやすい状況といえる。

オンチェーン指標も同様に力強さを欠いた。Santimentによると、XRPLは先週、年初来で2番目に低調な日を記録し、アクティブウォレット数は2万5350にとどまった。新規ウォレット作成数も2130まで減少し、2024年11月以降の最低水準となった。

6月末には一時的に押し目買いの動きも見られたが、その後はアクティブウォレット、新規ウォレットともに増勢が再び鈍った。

もっとも、ネットワーク活動が全面的に失速したわけではない。XRPLのバリデーターであるVetは、ソースタグ付き取引が28.6%増え、ソースタグの利用数も13%増加したと明らかにした。ソースタグは、取引所や決済事業者などが共通口座を使う際、顧客ごとの取引を識別する目的で主に使われる。

既存のサービス基盤に参加する事業者の取引は増えている一方で、新たな利用者層の拡大には直結していない可能性がある。

CryptoQuantの指標でも同様の傾向が見られた。取引件数は前週比、前月比でそれぞれ3〜4%増加したものの、直近3カ月平均と比べると約21%低かった。アクティブアドレスも3カ月の基準線を11%下回った。

ネットワーク価値に対する取引比率にはやや改善が見られ、活用度が急低下局面を脱する可能性も示唆された。ただ、取引量と利用者参加はいずれも長期平均の回復には至っていない。

こうしたなか、市場の関心はXRPLの機関向け利用拡大にも向かっている。XRP価格は直近1週間で約5%下落し、1.08ドル(約162円)前後まで下げた一方、機関投資家の間ではXRPLをトークン化資産や決済インフラとして活用する動きが広がっている。

XRPを中核とするデジタル資産財務会社Evernodeは、ネットワークと連動するトークン化リアルワールドアセット(RWA)の規模が約40億ドル(約6000億円)に達し、500超の商品にまたがると説明した。

技術面でも、機関需要を意識した機能整備が進む。提案中のXLS-96規格は、マルチパーパストークン(MPT)に機密送金機能を加える内容だ。残高や送金額は暗号化とゼロ知識証明で秘匿しつつ、バリデーターが供給ルールの順守状況を確認できる設計となっている。

発行者は、規制当局と監査人に対してのみ取引情報を選択的に開示でき、凍結や回収の機能も維持する。

こうした仕組みは、担保移転や決済規模、取引ポジションがリアルタイムで外部に露出することを避けたい金融機関にとって重要な意味を持つ。導入が進めば、銀行や資産運用会社、金融会社がパブリックブロックチェーン上で機微な取引を処理する際の障壁を下げる可能性がある。

実際の活用事例も出てきた。Ondo Finance、Ripple、Mastercard、JPモルガンのKinexysプラットフォームは5月、国境をまたぐ償還取引を完了した。トークン化された米国債資産の処理はXRPL上で5秒以内に完了し、ドル決済はKinexysとJPモルガンの銀行ネットワークを通じて実行された。

これは、XRPL上に記録された資産が従来の金融インフラと接続し得ることを示す事例といえる。

足元のXRPLは、機関向け活用の拡大と市場需要の鈍化が同時に進む局面にある。ETFからの資金流出、先物建玉の縮小、ウォレット成長の停滞が続くなか、トークン化資産や機密送金といった機関向け機能が、XRPの実需とネットワーク活動の回復につながるかが当面の焦点となりそうだ。

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