RippleによるXRP売却がトークン保有者に直接的な不利益をもたらしているとの批判に対し、同社の元最高技術責任者(CTO)であるデビッド・シュワーツ氏が反論した。将来の売却懸念はすでに市場価格に織り込まれており、Rippleの売却行為そのものを保有者への被害転嫁とみなすのは適切ではないとの立場を示した。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが11日付で報じたところによると、シュワーツ氏は、RippleのXRP売却と投資家の損失を直接結び付ける最近の主張は事実に沿わないと述べた。
議論の発端は、Rippleの事業モデルを巡る応酬だった。ビル・モーガン氏が「Rippleは個人投資家にXRPを直接販売してきた」と主張したのに対し、Rippleは、そうした形での販売はここ数年行っていないとしている。
その後、Chainlink幹部の一人が、Rippleは保有するXRPを現金化し、運営費や買収、株主利益の原資に充てていると指摘。RippleがXRPを売却するたびに、そのコストとリスクはXRP保有者に及ぶ一方、利益は企業と株主にのみ及ぶと批判し、対立はさらに広がった。
この幹部はさらに、XRPがブリッジ資産として機能するとの説明は説得力を失っており、RLUSDのようなステーブルコインがその役割を代替しているとも主張した。
これに対し、シュワーツ氏は、そうした見方は市場の価格形成に対する理解を欠いていると反論した。投資家が将来のXRP売却が価格の重荷になると合理的に見込むのであれば、その懸念はすでに現在の市場価格に反映されているはずだと説明した。
その上で、買い手は将来の売却リスクを見込んだ水準でXRPを取得し、将来売却する際も同様の前提を踏まえた価格で取引することになると指摘した。つまり、Rippleの売却そのものが新たに保有者の犠牲を生むのではなく、売却可能性は事前に価格へ織り込まれるというのが同氏の見方だ。
今回の論点は、RippleのXRP売却が保有者に一方的な損失を押し付けているのか、それとも市場があらかじめそのリスクを評価しているのかという点にある。批判側は、Rippleが事実上、保有するXRPを活用して企業運営と株主利益を支えているとみている。
一方でシュワーツ氏は、その懸念が妥当であるなら、すでに市場価格に織り込み済みであり、Rippleの販売行為だけを切り離して被害転嫁と解釈することはできないと線引きした。
議論は、XRPの市場での役割にも及んでいる。Chainlink側は、XRPのブリッジ資産としての機能は弱まり、RLUSDのようなステーブルコインがその役割を置き換えつつあると主張する。
ただ、シュワーツ氏の反論の中心は、機能面の優劣ではなく価格形成の仕組みにある。市場が将来の売却懸念をどう評価し、投資家がXRPの有用性とRippleの収益構造をどう見極めるのかが、引き続き焦点となりそうだ。