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Strategyが、これまで掲げてきた「ビットコインは売らない」との方針を修正し、必要に応じて売却も選択肢とする資本戦略に転じた。これを受け、Standard Charteredは、投資家への説明が不十分なままでは短期的なビットコイン相場に混乱が広がる可能性があるとみている。

Cointelegraphが12日(現地時間)に報じたところによると、Standard Charteredは、マイケル・セイラー氏が新たな戦略の狙いを投資家に対してより明確に説明する必要があるとの見方を示した。

焦点となっているのは、Strategyが長年維持してきた「ビットコインを絶対に売らない」との姿勢を実質的に後退させた点だ。同社は最近、優先株「STRC」の配当原資の確保や現金同等物の積み増しを目的に、必要に応じてビットコインを売却できる枠組みを示した。米証券取引委員会(SEC)への開示資料によると、同社は今月初めに2億1600万ドル(約324億円)相当のビットコインを売却し、保有総量は84万3775BTCに減少した。

セイラー氏は13日、SNSに「オレンジの点だけでは物語の一部しか見えない」と投稿し、SaylorTrackerのチャートを添付した。市場ではこれまで、こうした投稿は翌日の追加購入発表の前触れと受け止められることが多かった。ただ今回は、資金運用の前提そのものが変わったことで、従来と同じシグナルとして解釈しにくいとの見方が改めて意識された。

Standard Charteredでデジタル資産リサーチを統括するジェフ・ケンドリック氏は、Strategyの新戦略について、STRCがビットコイン保有を背景にした商品設計であることを市場に明確に伝えれば、大規模な売却への懸念を和らげることができると指摘した。こうした認識が広がればSTRCの価格安定にもつながり、結果として実際のビットコイン売却の必要性も低下し得るとしている。

Strategyは新たな資本戦略の公表に合わせ、ビットコイン売却を配当原資に充てられるようにしたほか、STRC優先株の年間配当率を12%に引き上げた。あわせて、ドル建て準備金が25億5000万ドル(約3825億円)に増加したことも明らかにした。ビットコインを単なる長期保有資産としてではなく、資金調達や配当政策に組み込む方向へ舵を切った形だ。

ケンドリック氏は、従来の方針がかえって同社の巨額なデジタル資産保有の活用余地を狭めていたとの見方も示した。同氏は「問題は、ビットコインを絶対に売らないというアプローチが、MSTRのビットコイン保有分の活用を制限してしまう点にある」と述べ、ここ数カ月で同社が投資家とのコミュニケーション戦略を変え始めたと指摘した。実際、Strategyはビットコインを2回売却しており、最近ではビットコイン収益化プログラムも打ち出している。

一方で、投資家がこの方針転換をなお十分に織り込めていないことも課題として残る。STRC優先株は1株100ドル前後の維持を目標に設計されたが、先月には導入後の最安値水準まで下落した。普通株のMSTRも、2025年7月以降では70%超下落しており、11日の終値は94.64ドルだった。52週高値の457.22ドルと比べても下落幅は大きい。

業績面への警戒もくすぶる。Strategyは30日に2026年4〜6月期(第2四半期)決算を発表する予定で、Yahoo Finance集計の市場予想は1株当たり4.28ドル。Fintelのデータによると、直近8四半期のうち6四半期で市場予想を下回っており、2026年1〜3月期(第1四半期)には33.76%の未達を記録した。

もっとも、Standard Charteredは、Strategyの市場へのメッセージが近く改善する可能性があるとみており、年末時点のビットコイン価格見通しとして10万ドルを維持している。今後の焦点は、Strategyがビットコイン売却の可能性を織り込んだ新たな資本戦略をどう説明し、STRCとMSTRの投資家の不安をどこまで和らげられるかにある。

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