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インド中央銀行のインド準備銀行(RBI)が、暗号資産と金融システムの切り離しを改めて求めている。銀行や金融機関による暗号資産、民間発行ステーブルコインの保有・取引を禁止し、規制下の金融セクターと暗号資産市場の接点を断つべきだとする考えを、政府文書で示した。

ブロックチェーンメディアのCoinpostが9日(現地時間)に報じたところによると、RBIは5月と6月に作成した文書で、インドの暗号資産政策を禁止に近い方向へ見直す必要があると主張した。

文書の主眼は、銀行などの規制対象となる金融機関が暗号資産市場へ直接・間接に関与することを防ぐ点にある。RBIは、銀行・金融機関による暗号資産や民間発行ステーブルコインの保有、取引、関連するエクスポージャーの保有を禁じるべきだと求めた。

こうした措置についてRBIは、金融システムへの波及リスクを抑え、暗号資産を規制された金融システムの外にとどめるためだと説明している。

ステーブルコインに対する警戒感も鮮明だ。RBIは、外貨建てステーブルコインが国内の通貨主権を脅かしかねないと指摘した。

ルピー連動型トークンについても、通貨発行に伴う政府収入を減らし、市場混乱時には金融安定を損なうおそれがあるとした。さらに、ステーブルコインの利用が広がれば法定通貨への換金需要が減り、暗号資産関連収益の把握や課税が一段と難しくなる可能性があるとしている。

今回の見解は、インド政府が暗号資産を巡る明確な制度方針をなお打ち出せていない中で示された。RBIは2018年、暗号資産関連事業者に対する銀行サービスを事実上遮断する規制を導入したが、2020年にインド最高裁がこれを違憲と判断し、取引は再び可能になった経緯がある。

その後、2021年に策定された暗号資産禁止法案の草案は議会に提出されず、政府はイノベーション促進とリスク管理のバランスを理由に、判断を先送りしてきた。

一方、税務当局は規制面に加え、課税面での問題も指摘している。政府文書によると、インドの税務当局は所得税申告の過程で、暗号資産保有の過少申告事例を確認した。

2023年3月終了の会計年度に暗号資産を取引した64万5000人のうち、申告書に記載していたのは4分の1未満だったという。

文書には市場規模に関する推計も盛り込まれた。税務当局の推計では、インドの暗号資産取引者は約3900万人に上り、5月末時点の保有デジタル資産は約21億ドル(約3150億円)規模とされる。インドでは現在、暗号資産収益に30%の税率が適用されている。

もっとも、海外取引所をインド市場から全面的に排除しているわけではない。BinanceやCoinbaseなど海外の暗号資産取引所は、政府機関への登録を経ればインド国内で営業できる。

ただ、金融セクターでの保有禁止と課税追跡の強化が同時に進めば、現地市場は個人投資家と登録事業者中心へと、より限定的な構造に再編される可能性がある。

こうした中、インド法人省は仮想デジタル資産を巡る会計基準や関連指針の策定も検討している。金融セクターの遮断、課税追跡の強化、会計ルールの整備が並行して議論されるなか、インドの暗号資産政策は再び強硬姿勢へ傾きつつある。

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