Bitcoinが、主要投資家の平均取得単価を下回る割安圏に約5カ月間とどまっている。オンチェーン分析企業のGlassnodeは週次レポートで、底値形成は進んでいるものの、なお確認には至っていないとの見方を示した。長期保有者による損失確定売りが相場の戻りを抑えており、現物ETFからの資金流出も続いている。
Glassnodeは、直近の買い手や市場で活発に売買する投資家層の平均取得単価を下回る水準で、Bitcoinが推移していると分析した。こうした割安圏での長期的な蓄積は、過去の相場サイクルでも大きな底値形成の土台になってきたと指摘している。
その一方で、追加下落の余地は残るとした。弱気相場で下値の目安とされる実現価格は現在、5万3000ドルとしている。
今回の下落局面で最大の売り圧力となっているのが、長期保有者の損失確定売りだ。Glassnodeは、155日超にわたってBitcoinを保有してきた投資家の売りが、足元の相場を押し下げる主因になっているとみている。
長期・短期保有者の相対実現損益指標では、長期保有者の損失確定比率が2026年2月初旬の15%から、直近では43%まで拡大した。
相場の戻りがたびたび失速する背景にも、この売り圧力がある。Glassnodeは、Bitcoinが足元のレンジ上限を明確に上抜けできない理由として、含み損を抱えた長期保有者の戻り売りを挙げた。反発局面のたびに、新たな売りが出ているという。
実際、長期保有者による損失確定額の30日移動平均は、直近で1日当たり約2億8000万ドル(約420億円)に達した。2022年12月以降で最高水準だ。
Glassnodeは、この指標が意味のある水準まで低下しない限り、強気相場への本格的な回帰は見込みにくいとみている。今後数週間から数カ月にかけて、この指標の推移が売り手の枯渇を見極める重要なシグナルになるとした。
機関投資家需要にも、なお明確な回復の兆しは乏しい。Bitcoin現物ETFの資金フローはやや落ち着いたものの、純流出基調が続いている。
1日当たりの取引代金は6億5000万〜9億5000万ドル(約975億〜約1425億円)で、2025年10月のピークと比べて約80%低い水準にある。機関投資家の需要が依然として安定していないことを示している。
デリバティブ市場では、指標ごとに温度差が出ている。慎重な地合いのなかでも、ポジションは買いに傾いた。オプションのプット・コール比率は0.56と、2026年に入ってから最も低い水準となり、プット1枚に対しておよそ2枚のコールが積み上がっている計算になる。
ただ、市場全体では下落リスクへの警戒がなお強い。すべての満期ゾーンで25デルタ・スキューが高水準を維持しており、上昇よりも下落に備えるヘッジ需要の強さが表れている。
Glassnodeは、底値形成の条件は徐々に整いつつあるものの、確認シグナルはまだ出ていないと結論付けた。局面転換には、投げ売り圧力の低下と機関マネーの流入安定が必要だとし、理想的にはアクティブ投資家の平均取得単価である約7万6600ドル(約1149万円)を継続的に回復する必要があるとした。
今後のBitcoin相場では、長期保有者の売り圧力がどこまで鈍化するかに加え、現物ETFの資金フローが安定に向かうかが主要な変数となりそうだ。