カザフスタンは暗号資産の制度整備を進める。写真=Shutterstock

カザフスタンが暗号資産の制度整備を加速する。ステーブルコインを活用した国境をまたぐ決済の枠組み整備に加え、規制下での暗号資産取引益に対する個人所得税の免除を検討する。採掘向け電力政策やトークン化商品の導入も視野に入れている。

ブロックチェーンメディア「Cryptopolitan」によると、カシムジョマルト・トカエフ大統領は8日、暗号資産の規制整備と導入拡大に向けた関連法令に署名した。

柱となるのは、デジタル資産を制度の枠内に取り込むことだ。政府は、輸出入代金の決済にデジタル資産やステーブルコインを活用できる枠組みの整備を進める。企業は既存の銀行網とあわせて新たな決済手段を利用できるようになり、海外取引における送金・受領の選択肢が広がる見通しだ。

海外の取引所やウォレットに置かれた暗号資産の国内移管も促す。規制外のサービスに資産を保有する利用者については、自主申告を条件に、国内の認可事業者への移管を認める方針だ。海外に滞留する資金を国内の規制市場に呼び戻し、経済活動につなげる狙いがある。

税制面では、国内の規制インフラを通じたデジタル資産取引益に対し、個人所得税を免除する案を検討している。通信社「Kursiv」によると、人工知能・デジタル開発省(MAIDD)は、カザフスタンの規制下にあるインフラを通じて得たデジタル資産取引益を非課税とする計画を明らかにした。海外取引所やウォレットに滞留する資金を国内市場へ移す誘因策と位置付ける。

法令では、採掘産業と電力政策も扱った。従来は活用されていない油田随伴ガスや天然ガスを自家発電に振り向け、そこで生み出した電力を採掘事業に供給できるようにする。採掘事業者にとっては、電力調達の選択肢が広がることになる。

あわせて、インフラ改善で増えた新規発電容量の最大70%をデータセンターと採掘事業者が利用できるとする「70/30」エネルギーモデルとも連動する内容となっている。

制度設計には、MAIDD、カザフスタン国立銀行、アスタナ国際金融センターが参加した。政府は今回の法令を、規制型のデジタル資産市場を整備するための前段階と位置付ける。外部資本の呼び込みと、暗号資産企業に対する運営ルールの明確化が狙いだ。

制度設計の方向性について、ジゲル・バイトゥルシノフMAIDD次官は、採掘事業者から金融機関までを対象に「明確で予測可能な環境」を整えることが目標だと説明した。同時に、カザフスタン国民向けの保護措置と規制も確保するとしている。

法令は決済や採掘にとどまらない。資本市場分野では、トークン化された金融商品の導入や国家レベルの取引インフラ整備を求め、トークン化国債の発行可能性も盛り込んだ。カザフスタンは、産業育成に加え、決済、取引、電力、資本市場をまたぐ横断的な制度整備を進める構えだ。

キーワード

#カザフスタン #暗号資産 #ステーブルコイン #非課税 #採掘 #トークン化 #資本市場
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.