暗号資産開発者を金融規制の対象に含める範囲が焦点となっている。写真=Reve AI

米民主党のロン・ワイデン上院議員は、暗号資産市場構造法案「CLARITY法」の最終案に、ブロックチェーン開発者の保護を定める604条を維持するよう上院指導部に求めた。開発者に法的な明確さを与えるべきだとの声がある一方、不正資金対策が弱まるとの懸念も強く、同条項は法案審議の大きな争点となっている。

9日付のCryptopolitanによると、ワイデン議員は今週、ジョン・スーン上院多数党院内総務とチャック・シューマー民主党院内総務に書簡を送付し、CLARITY法の最終案にも604条を必ず盛り込むよう求めた。

604条は「Blockchain Regulatory Certainty Act(BRCA)」として知られる条項で、顧客資産を直接保管・管理しないブロックチェーン開発者やソフトウェア制作者を資金移動業者とみなさず、一定の法的保護を与えることを柱とする。

この条項はもともと別法案として提出され、その後CLARITY法に組み込まれた。現在は、上院で進む暗号資産関連立法の中でも主要な論点の一つに浮上している。

ワイデン議員は書簡で、イノベーションと法執行は両立できると強調した。「賢明な政策は、法執行機関が役割を果たせるようにしながら、同時にイノベーションも促進できる」とした上で、開発者の免責を含むBRCAを、CLARITY法のどの最終案でも維持すべきだと主張した。

さらにBRCAについて、米司法省や米財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)の既存方針にも沿うと説明した。不正な資金移動事業者は厳格に取り締まる一方で、中立的なソフトウェア開発者まで金融仲介者として扱うべきではないという立場だ。

また、非カストディ型の開発者であっても、不正資金の移動や犯罪行為に直接関与した事実が確認されれば、保護の対象外になる点も強調した。一般的なオープンソース開発者は守りつつ、不正に関与した者については既存法で責任を問えるとしている。

これに対し、捜査当局や市民団体は、免責の範囲が広すぎると懸念している。6月には、検事や保安官、警察官らを代表する団体が上院に書簡を送り、BRCAが不正資金の移動を助ける一部の開発者まで保護しかねないと指摘した。規制の明確化は、説明責任や公共の安全を損なう形で適用されるべきではないとも訴えた。

カトリック系の人身売買防止団体「人身売買終結連合」も、604条の再検討を求めている。例外規定が広範に設定されれば、人身売買や組織犯罪、児童搾取、制裁逃れに関わる不正金融活動の監視が難しくなる恐れがあるとしている。

暗号資産業界はおおむねBRCAを支持している。開発者が法的責任への過度な懸念なくソフトウェアを開発できてこそ、イノベーションは米国にとどまり、過剰な規制は技術の海外流出を招くだけだという主張だ。

今回の論争は、CLARITY法全体の審議日程にも影響を与えている。上院では開発者免責に加え、ドナルド・トランプ大統領を含む、暗号資産に利害関係を持つ公職者の倫理規定もあわせて議論されており、審議は難航している。

議会は8月に休会入りし、11月の選挙も控える。CLARITY法を巡っては、開発者をどこまで規制対象に含めるのか、また公職者の利益相反をどう扱うのかという二つの論点の整理が迫られている。

キーワード

#CLARITY法 #BRCA #Blockchain Regulatory Certainty Act #FinCEN #米上院 #暗号資産 #ブロックチェーン #開発者保護条項
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.