写真=Shutterstock

XRPは6月末の急落で過度なレバレッジが解消され、市場の不安要因だった清算売り圧力はいったん和らいだ。だが、足元の反発が持続するかどうかは別問題だ。市場では、次の上昇局面を支える材料として、現物ETFへの資金流入と現物買いの拡大が重要になるとの見方が出ている。

CryptoSlateが8日付で伝えたところによると、現在のXRP市場で問われているのは清算圧力の緩和そのものではなく、新たな実需マネーが入ってくるかどうかだ。

XRPは直近7日間で約2.7%上昇し、1.08ドル前後で推移した。時価総額は約670億ドル。もっとも、売買の主役はなお現物ではなくデリバティブだ。CoinGlassによれば、24時間の現物出来高は約4億200万ドルだったのに対し、先物出来高は約22億5000万ドルに達した。未決済建玉は約23億5000万ドル、24時間の清算額は約830万ドルだった。

今回の反発の出発点となったのは、6月末の相場調整だ。当時、XRPは1.02ドルまで下落し、ロングポジションの清算が加速。先物取引の勢いも鈍った。実現損失は2022年以降で低水準まで落ち込み、売り圧力が一巡すれば相場が安定しやすい地合いが整った。ただし、上昇トレンドを維持するには、新たな買い手の流入が欠かせない。

とりわけ未決済建玉の減少をどうみるかについては、市場でも見方が分かれている。CoinGlassは、未決済建玉の減少には強制清算だけでなく、自主的なポジション解消や、ボラティリティ上昇に伴うエクスポージャー圧縮も反映され得ると説明した。実際、6月末にXRPが1.07ドル近辺まで下げた場面では、約900万ドルのロング清算が発生し、未決済建玉は約23億4000万ドルまで縮小した。

この過程で投機色は明らかに後退した。同期間の先物取引代金は、前年同時期の300億ドル超から約28億4000万ドルへと大きく減少した。レバレッジをかけたロングが減ったことで、小幅な値戻しが連鎖的な清算を誘発するリスクは低下したとの見方がある。一方で、トレーダーが相場への確信を失い、ポジション拡大を手控えた結果だとすれば、足元の反発は強制売りが一服したことによる一時的な戻りにとどまる可能性もある。

そのため市場の関心は、次の買い需要としての現物投資家とETFマネーに向かっている。足元の指標は強弱入り交じる内容だ。現物取引は一定水準を保っているものの、目立つのは依然として先物主導の売買だ。清算問題は沈静化しつつあるが、未決済建玉の規模はなお大きく、レバレッジ主導の取引が再び膨らむ余地も残る。

ETFの資金フローには前向きな面もあるが、規模はまだ小さい。6月22日から26日にかけて、ビットコインの現物ETFからは約17億9000万ドル、イーサリアムの現物ETFからは約2億7350万ドルが流出した。一方、XRPの現物ETFには同期間に2299万ドルが流入した。主要な暗号資産ETFから資金が流出する局面でも、XRP関連商品に資金が入った点は注目材料といえる。

ただ、絶対額にはなお開きがある。XRPへの流入額2299万ドルは、ビットコインとイーサリアムのETFからの合計流出額約20億6000万ドルと比べると、市場全体の流れを変える規模とは言いにくい。CoinSharesの6月1日時点の資金フロー報告でも、デジタル資産投資商品全体では16億7000万ドルが流出し、内訳はビットコインが14億3800万ドル、イーサリアムが2億5700万ドルの流出だった。こうした中で、XRPは2030万ドルの流入を記録した数少ないアルトコインの一つだった。

ETF需要が注目されるのは、先物とは性格が異なるためだ。FranklinのXRP現物ETFの申請書類(S-1)では、同ファンドは費用控除前のXRP価格に連動するパッシブ型商品で、レバレッジやデリバティブを使わないと明記している。「XRPZ」はXRPを直接保有するグランター・トラスト型で設計されており、6月7日時点の純資産総額は2億3071万ドルだった。GrayscaleのGXRPについても、ファンドがXRPのみに受動的に投資する商品とされている。

市場では、運用資産残高そのものよりも純設定の動向が重要だとの指摘もある。運用資産残高は価格上昇や初期在庫、投資家間でのETF持ち分売買でも増え得るが、純設定は実際に新規のXRP買いを伴うフローだからだ。ETF資金が相場の主要な下支えとして機能するには、こうした純設定が複数回にわたって継続する必要がある。

結局のところ、XRPの次の上昇局面は、誰が買い手になるのかに左右される。価格が上昇しても先物取引の比率が再び高まり、未決済建玉が現物需要を上回るペースで増えるようなら、今回の反発の説得力は弱まる。逆に、ETFへの流入が続き、現物取引が改善し、保管残高でも実際のXRP積み上がりが確認されるなら、反発はより安定した買い基盤の上で進む可能性が高い。

現時点では、6月末の混乱局面と比べて市場構造が整理されたことは確かだ。ただ、XRPが強制清算の減少によるテクニカルな戻りを超え、本格反発に移れるかどうかは、ETFと現物の買いが先物主導の相場を上回る下支えを示せるかにかかっている。

キーワード

#XRP #現物ETF #暗号資産 #先物 #現物 #ロング清算 #未決済建玉
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.