日銀の追加利上げ観測を背景に、XRPの下落リスクが意識されている。写真=Shutterstock

XRPに再び下押し圧力がかかるとの見方が強まっている。日銀の追加利上げ観測を背景に、円キャリー取引の巻き戻しが進めば、2024年の急落局面が再現される可能性があるためだ。市場は7月30日に予定される日銀の金融政策決定会合を注視している。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは8日、日銀の追加引き締めを巡る思惑が広がるなか、XRPの短期的な値動きにも関心が集まっていると伝えた。

観測の発端の一つとなったのは、日銀との関係を示唆するXアカウント「ユト」による投稿だ。同アカウントは「日銀が数十億人の生活に影響する措置を準備している」との趣旨を投稿し、「西側諸国の皆さま、深くお詫び申し上げます」とも述べた。具体的な内容には触れていないものの、市場ではこれを円キャリー取引の巻き戻しにつながる政策変更と結び付ける見方が広がった。

同アカウントが過去に、日銀の政策決定を公式発表前に示唆したとされる点も、こうした憶測を後押ししている。

背景には、日本の利上げ基調がある。タカイチ・サナエ首相が2025年10月に就任して以降、日本では2回の利上げが実施された。日銀は6月、政策金利を25bp引き上げて1%とし、31年ぶりの高水準に設定した。物価抑制に向け、追加利上げの可能性も示している。

市場では次回会合である7月30日の判断に注目が集まっている。輸入物価の上昇と円安を背景に、借入コストがさらに引き上げられるとの観測が出ているためだ。一部では、2024年と同様の大幅利上げの可能性も取り沙汰されている。

2024年7月には、日銀が政策金利を0~0.1%から0.25%へ引き上げた。これを受けて世界の市場は大きく動揺し、円キャリー取引の巻き戻しが加速した。

金利が上昇すると、低金利の円で資金を調達し、海外資産に投資する取引の採算は悪化する。投資家は円建て借り入れの返済資金を確保するため、保有する海外資産を売却しやすくなる。

XRPもこの影響を免れなかった。2024年7月31日に0.659ドルまで上昇した後、利上げと円キャリー取引の巻き戻しが進んだ数日間で、8月5日には0.432ドルまで下落し、34%安となった。デジタル資産市場全体から流動性が流出し、XRPも売られた格好だ。

足元で市場が警戒しているのも同じ構図だ。今回の巻き戻し規模が2024年並みに膨らめば、XRPにも同様のショックが及ぶ可能性がある。現在の価格である1.09ドルを基準に同程度の下落率を当てはめると、0.72ドル前後まで下げるとの見方もある。

もっとも、こうした見通しは確認済みの政策発表に基づくものではない。日銀が実際に大幅利上げに踏み切るかどうか、さらにそれが直ちに大規模な円キャリー取引の巻き戻しにつながるかは不透明だ。

それでも市場が敏感に反応しているのは、日銀が6月の利上げ時に追加引き締めの姿勢をにじませていたことに加え、2024年の政策変更が世界市場と暗号資産相場に直接的な衝撃を与えた前例があるためだ。

相場の地合いが弱いなか、7月30日の日銀の判断は、XRPを含むデジタル資産市場の短期的な変動率を高める材料として意識されている。

キーワード

#XRP #日本銀行 #円キャリー取引 #利上げ #暗号資産
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.