米サプライチェーン認証企業のMade In USA(Made In USA Inc.)は、製品認証とサプライチェーン検証の基盤としてXRP Ledger(XRPL)を採用した。6月26日に米証券取引委員会(SEC)へ提出したフォーム8-Kで明らかにした。
Made In USAはノースカロライナ州フランクリンに本社を置き、28年以上にわたり米国産認証サービスを手がけてきた。今回の開示によると、XRPLは米国内のサプライチェーン検証と製品認証を支える中核技術として組み込まれる。
8-Kは、買収完了に関する項目2.01に基づくもの。同社は関連会社のMade in USA One LLCから、知的財産権と技術資産を2500万ドル(約38億円)相当で取得した。対価は制限付き普通株500万株で、現金支出は伴わない。
取得した資産は、米国産の検証・認証とサプライチェーンの透明性確保に向けた技術基盤の中核を成すという。SEC資料によると、このプラットフォームはパブリックXRPL、プライベートXRPL、Hyperledgerベースのブロックチェーン基盤を組み合わせて構成する。
あわせて、AIを活用した検証ツール、ハードウェアの完全性を証明するTrusted Platform Module(TPM)ベースのセキュリティ、IoTと連携するERPシステム、モジュール型の「DataWallet」技術スタックも備える。
特徴は、公開領域と非公開領域を分けるハイブリッド構成にある。機微な事業データはプライベートXRPLネットワークに保存し、パブリックのXRP Ledgerには製品の真正性を示す永続的な証跡を記録する。これにより、企業は内部情報を保護しながら、規制当局や取引先、消費者に対して独立して検証可能な記録を提示できるとしている。
Made In USAは、XRPLの商用利用に適した性能も採用理由に挙げた。取引処理時間は3〜5秒、手数料は1件当たり1セント未満、処理能力は毎秒最大1500件という。さらに、承認済みトラストライン、資産凍結、資格情報ベースのアクセス制御といったコンプライアンス機能を標準で備えており、企業側で複雑なスマートコントラクトを別途構築する負担を抑えられるとしている。
XRPLの企業利用は、金融や不動産の分野でも広がっている。ドバイ土地局は2025年5月、Prypco Mintプラットフォームを通じた不動産トークン化プロジェクトにXRPLを採用した。サプライチェーン金融では、香港上場のフィンテック企業LinklogisがXRPLと連携して請求書や売掛債権をトークン化し、1年間で28億ドル(約4200億円)超のクロスボーダー資産を処理した。ブラジルの証券化企業Vertoも、XRPL上で1億3000万ドル(約195億円)規模の農業受取債権証書を発行している。
近年のXRPL活用が金融資産や不動産に集中していたのに対し、今回の開示は、米国の製造業における実物商品の認証という新たな用途を示した点が特徴だ。決済や資産トークン化にとどまらず、サプライチェーンの証憑インフラへと用途が広がるかが注目される。