写真=マイケル・セイラー氏(Strategy会長)

Strategyのマイケル・セイラー氏は8日、Bitcoin価格が年率3.3%以上で上昇すれば、保有Bitcoinの一部売却益だけで優先株「STRC」の配当を長期にわたって賄えるとする自社試算を公表した。

セイラー氏は同日、X(旧Twitter)で、STRC優先株の配当持続性をBitcoinの価格変動と結び付けて分析した資料を公開した。

資料では、年間のBitcoin上昇率を前提に配当原資を試算し、分岐点を年率3.3%上昇とした。この水準を上回れば、保有Bitcoinの一部売却益だけでも継続的に配当原資を確保できるとしている。

一方、Bitcoinが上昇しない場合でも一定の配当余力があると説明した。現行の資本構成が維持されることを前提に、年間収益率が0%でもSTRCの配当を約31年間支払えるとの計算を示した。もっとも、この数値は7月5日時点の資産規模に基づく試算値としている。

STRCはStrategyが発行する優先株で、同社のBitcoin戦略を背景にした配当設計を採る。高配当に加え、長期にわたる配当維持の可否が投資家の関心事となっており、今回の資料はその持続可能性を数値で示した形だ。

背景には、新たな資本運用方針がある。Strategyは6月29日、「Digital Credit Capital Framework」を導入し、優先株配当と利払い義務を少なくとも12カ月以上賄える現金同等物の準備金を維持する方針を公表した。当時のドル建て準備金は約25億5000万ドルだった。

あわせて取締役会は、最大12億5000万ドル規模の「Bitcoin Monetization Program」も承認した。必要に応じて保有Bitcoinを売却し、準備金の積み増しや配当支払い、自社株買いなどに充てる枠組みだ。Strategyは、こうした流動性確保策によって、優先株配当と利払い義務の約25.9カ月分を賄えると説明している。

STRCの配当条件も引き上げた。配当率は7月1日以降の基準日から年12%に上昇している。今回の分析は、新たな配当方針と現金運用体制を市場に示す狙いがあるとみられる。

もっとも、同社は今回の計算が一定の前提に基づくシミュレーションである点を明確にしている。資本構成が変わらないことを前提とした参考資料であり、投資判断を勧誘するものではないとしている。実際の配当継続性は、Bitcoin価格の推移や同社の資本運用によって変動する可能性がある。

業界では、Strategyが単にBitcoinを保有するだけでなく、保有資産、現金準備金、Bitcoin売却プログラムを組み合わせた新たな資本運用モデルを構築しつつあることを示す事例と受け止められている。Bitcoinが年率3.3%の基準線を維持できるか、また承認済みの売却枠を同社が実際にどう活用するかが、今後の焦点となりそうだ。

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