画像=Wrtn Technologiesのロゴ

Wrtn Technologiesは、B2C向けAIサービスの運用で蓄積した知見を武器に、法人向けAIトランスフォーメーション(AX)事業を拡大している。社内独立組織(CIC)として立ち上げた「WrtnAX」を軸に、AICCや開発自動化ツールなどの企業向け製品群を展開し、2026年の売上高100億ウォンを目標に掲げる。

同社は昨年9月末、法人向けAX事業を担うWrtnAXを設立した。代表は、AIポータルサービス「Wrtn」のプロダクトオーナー(PO)を務めたパク・ミンジュン氏。組織規模は約30人という。

WrtnAXが強みとして前面に打ち出すのが、B2C向けAIサービスの運用経験だ。Wrtn Technologiesは「Wrtn」に加え、AIキャラクターチャットプラットフォーム「Crack」や日本版サービス「Cyarapu」など、複数のAIサービスを運営している。数百万人規模の利用を支える中で、トークンコストの増大やトラフィック急増といった課題に先行して直面してきたと説明する。こうした運用上の課題に対応するため社内で構築したソリューションを、法人向け製品として外販している。

主力製品の1つが、AIコンタクトセンター(AICC)だ。コールセンターやチャットボットによる問い合わせ対応をAIで代替・支援するサービスで、「Wrtn」の運用で蓄積した問い合わせデータや運用ノウハウを基に開発した。オペレーター支援向けの「AIアドバイザー」と、自動応答エージェントで構成する。導入企業では、生産性が35%向上し、問い合わせ対応に伴う労働時間を73%削減したとしている。

もう1つの事例が、バックエンドサーバを自動生成するAIエージェント「AutoBE」だ。自然言語で要件を入力すると、データベース設計、API仕様策定、テスト、実装までを含むバックエンドアプリケーションを自動生成する。WrtnはこれをCS、財務、コーディングなどの社内業務に先行導入しており、従来は10人で3カ月を要していた作業を、6人で2週間に短縮したという。

このほか、韓国語の文書や画像、Excelファイルをテキスト化するAI文書解析、自然言語の問い合わせをデータ分析クエリに変換するAIデータ分析、PPTや報告書の自動作成、社内文書検索向けの検索拡張生成(RAG)チャットボット、企業・教育機関向けの「Wrtn」エンタープライズ版なども製品群に含まれる。

差別化策として掲げるのが、「AXトライアングル」戦略だ。コンサルティング、教育、構築を一体で提供するモデルで、AIサービスの導入にとどまらず、コンサルティングを通じて業務上のボトルネックを洗い出し、実務担当者がAIを使いこなせるよう教育まで並行して進める。

OpenAIやAnthropicなどのグローバルAI企業との競争では、マルチLLM戦略を訴求する。Wrtnのプラットフォームは2022年から、GPT、HyperCLOVA X、Claude、Geminiなど複数のLLMを組み合わせて提供してきた。WrtnAXは、こうした運用を通じてLLMオーケストレーションのノウハウを蓄積してきたと説明する。自社でモデルを開発するのではなく、複数モデルの組み合わせによって品質、速度、コストを最適化し、ユーザーが実感できるサービス価値に集中する方針だ。

WrtnAXの顧客には、KT、LG Electronics、Shinsegae、KB国民銀行、信用保証基金などが含まれる。対象業種は金融、製造、公共、教育、ゲームと幅広い。大手SI企業やグローバルAI企業に比べて資本力やインフラ面で制約がある中、B2C運用の実績とマルチLLM活用力をどこまで差別化要因にできるかが今後の焦点となる。

Wrtn Technologiesは現在、シリーズCの資金調達を進めている。位置付けとしてはプレIPOラウンドに当たるという。

パク・ミンジュン代表は「国内の基幹産業のAI転換に貢献するという観点から、AIサービスを直接運営して得た技術をソリューション化している」と述べた上で、「これを通じて企業顧客の売上拡大とコスト削減を支援することが中核だ」と語った。

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