Shiba Inu(SHIB)ネットワークで、オンチェーン送金件数が1日で約95%急減した。前日には昨年10月以降で最大規模まで膨らんだものの、価格や取引所の資金フローに目立った変化はみられず、市場では大口売買ではなく、自動化処理や技術テストによる動きとの見方が出ている。
ブロックチェーンメディアのユトゥデイが8日(現地時間)に伝えたところによると、SHIBのオンチェーン送金件数は7月6日に7万8558件まで急増した後、翌7日には3922件に減少した。減少率は約95%に達した。
この水準は、SHIBのオンチェーン活動としては昨年10月以降で最大規模だった。ただ、急増後に短期間で平常水準へ戻ったことから、一般的な投資需要の拡大や大口売買というより、一時的な処理だった可能性がある。
一般に、こうしたオンチェーン活動の急増は、暗号資産取引所が顧客資産をコールドウォレットに移したり、ウォレット構成を見直したりする局面で発生しやすい。だが今回は、そうした取引所側の大規模な資産移動を示す兆候は確認されていない。
ブロックチェーンデータ分析プラットフォームのArkhamがまとめた7月6日の取引所流入・流出データでも、大規模な資金移動は捉えられなかった。取引所の流動性指標にも特段の変化はなく、通常水準を維持したという。
取引所内外の資金移動が偶然相殺された可能性はあるものの、同データは純流入ではなく移動総量を集計している。このため、実際に大規模な送金があれば、グラフ上に明確な痕跡が残るはずだとArkhamは説明している。
価格もほぼ反応しなかった。ネットワーク活動だけをみればトランザクションが急増した形だが、SHIB価格は約0.0000042ドル(約0.00063円)近辺で大きな変動なく推移した。通常であれば、短期間に数万件規模の実取引が発生すればボラティリティが高まりやすいが、今回は市場価格への影響がほとんどみられなかった。
このため市場では、自動化プログラムが短期間に大量のトランザクションを発生させた可能性が有力視されている。ユトゥデイは「トランザクション件数の95%減は、誰かが自動化スクリプトで数千件の取引を実行し、作業完了と同時に停止した可能性を示している」と分析した。
考えられるシナリオは主に2つある。1つは、大口保有者(クジラ)や初期保有者が、取引所を介さず個人ウォレット間で資産を再配置したケースだ。取引所を通さなければ、市場への影響を抑えながら大規模な移動を行いやすい。
もう1つは、開発組織やブリッジ関連プロジェクトがEthereumメインネット上でスマートコントラクトやネットワーク負荷のテストを実施したケースだ。実運用環境での技術検証の過程で、短期的にトランザクション件数が膨らんだ可能性があるという。
現時点で確認できるデータに限れば、今回の急変は市場不安や構造的な異常を示すシグナルとはみられていない。価格が安定しており、取引所を経由する資金移動も確認されていないためだ。
業界では、今回の事例は実際の投資家売買というより、特定の自動化処理や技術的な活動がブロックチェーン上に残した痕跡として解釈される可能性が高いとみられている。今後は、類似のパターンが繰り返されるかに加え、関連プロジェクトや大口保有者に追加の動きが出るかが焦点となる。