暗号資産ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインは6万2000ドル台に反落した。オンチェーン分析会社のCryptoQuantは、6万ドルの支持線が維持される限り短期的な上値余地は残るとみる一方、足元の相場は強気相場の再開ではなく、弱気相場の中での戻り局面にとどまるとの見方を示した。

ビットコインは先週、5万7700ドルまで下落した後、6万4000ドルを回復したが、その後は上昇が一服した。8日付のBitcoin Magazineによると、CryptoQuantは現局面を「強気相場の再開」ではなく、「弱気相場の中で生じた回復局面」と位置付けている。

CryptoQuantのリサーチ責任者、フリオ・モレノ氏は今回の反発について、「トレンド転換ではなく、ベアマーケット・ラリーとみるのが適切だ」と分析した。

その判断材料の中核となっているのが、同社独自の「Bull Score Index」だ。オンチェーンデータ、市場動向、バリュエーションを統合し、0〜100で相場の強弱を示す指標で、足元のスコアは20にとどまっている。

CryptoQuantでは一般に、40以下を弱気局面、60以上を持続的な強気相場の目安とみている。直近安値から持ち直してはいるものの、市場構造そのものはなお弱気圏にあるという。

一方で、短期的な反発継続を支える材料もある。CryptoQuantは、過去10年で7月がビットコインにとって相対的に堅調な月だったと分析。下落相場が続いていた2018年と2022年でも、それぞれ約20%、17%上昇したとしている。

2026年7月も、5万7700ドルまで売られた後に反発していることから、短期的には下落余地よりも上昇余地の方が大きいと評価した。

需要面にも改善の兆しが出ている。現物市場と無期限先物市場を合算したビットコイン需要の30日変化は、6月初旬にマイナス65万BTC前後まで落ち込み、2022年以降で最も弱い水準を記録した。

その後は需要減少幅が急速に縮小し、先物市場の投機需要は再びプラス圏に戻った。現物市場の売り圧力も、5月中旬以降で最も低い水準まで和らいだ。

CryptoQuantは、「総需要が再びプラス圏に転じれば、ビットコイン上昇を支える需要のけん引役が戻ったシグナルになり得る」と説明している。

米機関投資家のセンチメントを映すCoinbase Premium Indexも落ち着きを取り戻しつつある。この指標は、ビットコインが6月初旬に5万7000ドル近辺まで下落した局面で大きくマイナスに振れたが、その後は価格の持ち直しとともに改善。依然マイナス圏にはあるものの、機関投資家需要は徐々に安定しつつあると解釈できるという。

バリュエーション指標も、下値到達の可能性を示唆している。1〜3カ月保有者のオンチェーン未実現損益を示すMVRVマージンは、6月初旬にマイナス24%を下回った。CryptoQuantはマイナス12%以下を割安圏と判断する目安としている。

過去にも、短期保有者の損失が極端に拡大した局面では、投げ売りの後に局地的な底が形成されるケースが多かったという。実際、ビットコインはその後5万7700ドルから反発し、同指標も持ち直した。

もっとも、CryptoQuantはトレンド転換を宣言するのは時期尚早だとしている。ビットコインが6万ドルの支持線を維持する限り短期上昇の可能性は残るが、長期的な強気相場の再開を判断するには、Bull Score Indexが少なくとも60以上まで上昇する必要があるとしている。

現時点では、相場は安値からの回復基調にはあるものの、強気相場への復帰というよりは、弱気相場内のテクニカルな戻りとみるのが妥当だというのがCryptoQuantの結論だ。

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