Anthropicの報酬水準がH-1B申請資料から明らかになった。写真=Shutterstock

Anthropicが一部ポジションで100万ドルを超える基本給を提示していることが分かった。米メディアBusiness Insiderが26日(現地時間)、米国のH-1B申請資料に基づいて報じた。最高額は138万ドルで、賞与や株式報酬は含まれていない。

報道によると、最も高い水準が確認されたのは「技術スタッフ」職だった。該当する一部ポジションでは、基本給が112万ドルと138万ドルに達していた。

もっとも、「技術スタッフ」はAI研究機関で広く使われる職種名で、開示資料だけでは具体的な業務内容までは判別しにくい。最上位のAI研究者や、技術面で中核を担う人材である可能性がある。

今回確認された金額は、あくまで現金ベースの基本給とみられる。賞与や株式報酬は含まれていない。一方で、Anthropicは5月に企業価値が9650億ドルと評価されており、総報酬に占めるストックオプションの比重は大きい可能性がある。数年前に入社した社員のストックオプション価値が数百万ドル規模まで膨らんだ事例も伝えられている。

Anthropicは2026会計年度上期に、約80件のH-1B関連申請を行った。開示資料によると、基本給が最も高かったのは技術スタッフと管理職級の技術スタッフだった。加えて、強化学習研究員、製品オペレーション、研究オペレーション、技術営業など主要職種の一部でも、最大50万ドル水準の基本給が示されていた。

高水準の報酬は研究職にとどまらない。製品デザイン、財務、法務、コンピュートインフラ、マーケティング、パートナーシップなど、非研究部門でも高い水準を維持していた。Anthropicが研究、製品、オペレーション、営業、経営支援まで幅広い職種で積極的な報酬設定を進めている実態がうかがえる。

海外人材の採用拡大も進んでいる。2026会計年度第2四半期には、複数の大手テック企業がH-1B申請を減らす一方、Anthropic、OpenAI、NVIDIAは申請を増やした。米国内のAI人材不足を海外採用で補う流れが続いているとの見方もある。

AI業界の人材獲得競争は、年俸だけの争いではなくなっている。研究者が数百万ドル規模の報酬パッケージを交渉する例もあるという。Anthropicは高い企業価値とストックオプションへの期待を背景に採用競争力を高めており、SignalFireの昨年の分析では、他のAI研究機関を上回る従業員維持率を記録した。最近ではGoogleの研究者も採用したとされる。

Anthropicは今回の報道についてコメントしていない。今回の開示は、AI企業が中核人材の確保にどこまで人件費を投じているかを示す一例といえそうだ。早ければ今秋にも新規株式公開(IPO)に踏み切る可能性が取り沙汰される中、同社の採用・報酬戦略の行方に関心が集まっている。

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