Samsung ElectronicsとSK hynixが、韓国南西部の光州・全羅南道で、数百兆ウォン規模の半導体クラスター構築を検討していることが分かった。前工程のメモリ生産ラインに加え、先端パッケージングなどの後工程、AIデータセンターまで含む構想で、投資額は合計300兆〜400兆ウォンに上るとの見方が出ている。
24日、政界と業界によると、両社は光州・全羅南道での半導体工場新設に向けた検討を進めており、イ・ジェミョン大統領が主宰する官民合同会議での公表を視野に、詳細を詰めている。投資額は少なくとも300兆ウォン、最大で400兆ウォンとされる。
対象には、メモリの前工程ライン、先端パッケージングを担う後工程、AIデータセンターが含まれる。半導体製造は一般に、ウエハー上に回路を形成する前工程と、完成したチップを実装・製品化する後工程に大別される。
当初は、電力や用水、人材面の負担が比較的小さい後工程中心の投資が有力視されていた。だが、SK hynixが前工程まで含める案を有力に検討し始めたことで、全体の投資規模が当初想定を上回る水準に膨らんだという。
候補地は光州近郊とされる。光州市側は、投資開始から3〜4年で半導体生産に入れるとの見通しを示している。工場建設、設備導入、生産テストにそれぞれ1年程度かかるとの説明だ。
チョン・ジヌク共に民主党議員は記者会見で、「当初の想定を大きく上回る投資になる可能性が高い」と述べ、「光州が半導体クラスター都市へ飛躍する契機になる」と強調した。前工程施設には、メモリ半導体やウエハー生産設備が含まれるとの見方も示した。
投資拡大の背景には、AI半導体需要の急増への対応と、政府が進める地域均衡発展政策がある。政府は、5つの超広域圏と3つの特別自治道を軸とする国家均衡発展戦略と、南部圏半導体ベルトの構築を推進している。
イ・ジェミョン大統領は19日にSKグループのチェ・テウォン会長と会談したのに続き、25日にはSamsung Electronicsのイ・ジェヨン会長と会う予定だ。イ・ジェヨン会長は来月2日に忠清南道牙山を訪れ、光州・全羅南道でのファブ建設計画と、忠清南道内の後工程工場への投資案をあわせて公表する可能性があるとみられている。
AI半導体や、高性能メモリ「HBM」の需要拡大も増産圧力を強めている。HBMはメモリを多層に積層し、データ処理速度を高める製品だ。半導体工場は用地選定から完成まで約7年を要するとされ、次期生産拠点の候補地を早期に確保する必要性が高まっている。
Samsung Electronicsの平沢P5は早ければ2030年、SK hynixの竜仁工場は2027年の稼働を控える。SK hynixは5年以内にメモリ生産能力を2倍にする目標を掲げており、竜仁以外にも追加拠点の確保が必要になるとの見方がある。
一方で、課題も少なくない。最先端ファブの稼働には大規模な超高圧送電網と、1日数十万トン規模の工業用水が必要で、インフラ整備だけでも数年を要する。中核人材の確保策も固まっていない。
8月施行予定の半導体特別法には、地域均衡発展に向けた半導体クラスター支援策が盛り込まれている。クラスター指定を受ければ、電力・用水・道路など基盤インフラへの国費支援を受けられるほか、総事業費500億ウォン以上の財政事業については、予備妥当性調査の免除、または優先選定の対象となる。