写真=Ripple公式サイト

リップルの元最高技術責任者(CTO)デービッド・シュワーツ氏が、XRPの起源を巡る見方について改めて説明し、「XRPの本当の歴史は2012年に始まる」との認識を示した。XRPがビットコインより先に作られた、あるいはライアン・フーガー氏がXRPの創始者だとする一部の主張を否定した形だ。

26日、U.TodayやDecryptなどによると、シュワーツ氏は最近、ソーシャルメディア上でXRPの技術的な出発点と開発経緯を自ら説明した。

議論の発端の一つは、カナダのプログラマー、ライアン・フーガー氏が2004年に開発した「RipplePay」だ。名称の近さから、同氏をXRPの生みの親とみなす向きもあったが、シュワーツ氏はRipplePayと現在のXRPは技術的にまったく別のシステムだと述べた。

同氏によると、RipplePayはブロックチェーンでもデジタル資産でもなく、利用者間の信用を前提とした決済ネットワークだった。フーガー氏がビットコイン以前に分散型決済ネットワークの発想を示していた点は認めつつも、XRPやXRP Ledger(XRPL)の直接的な原型とは言えないとしている。

シュワーツ氏は、2012年にクリス・ラーセン氏とジェド・マケーレブ氏がフーガー氏からRipplePayを買収した後、OpenCoinのチームが技術基盤を全面的に入れ替えたと説明した。買収の目的は「覚えやすい名前とブランド」にあり、技術自体はゼロから再開発したという。

その後、ジェド・マケーレブ氏、アーサー・ブリト氏、デービッド・シュワーツ氏が新たなコードを書き、XRPLとXRPを開発した。旧システムから引き継がれたのは事実上、名称だけだとされる。シュワーツ氏は、現在のXRPをRipplePayと直接結び付ける解釈は技術的に正確ではないと強調した。

今回の説明は、最近再び広がった別の主張への反論でもある。一部のXRP支持者の間では、シュワーツ氏が1988年に出願した米国特許を根拠に、XRPはビットコインより前に開発され、さらには米政府が極秘に進めたプロジェクトだったとする説まで浮上していた。

この議論は、X(旧Twitter)のユーザー「Crypto Dail News」が、シュワーツ氏の米国特許番号5,025,369の画像を共有したことで拡大した。この特許は分散コンピュータシステムに関するものだが、一部コミュニティではXRPの起源と結び付けて受け止められていた。

ただ、リップル出身の開発者で元リップル取締役のマット・ハミルトン氏は、「この特許はXRPと何の関係もない」と一蹴した。ビットコインはXRPより先に登場しており、この特許はXRPLやXRPの出発点を示す資料ではないと説明している。

XRPLバリデーターの「Vet」も同様の見解を示した。同氏は、当該特許は分散台帳技術ではなく、複数のコンピュータに計算処理を分担させる分散コンピューティング技術に関するものだと指摘。ブロックチェーンの中核となる合意アルゴリズムや共有台帳の構造とは、概念が大きく異なるとした。

他のコミュニティ開発者からも、同様の指摘が出ている。ジェイミー・ウィリアムソン氏は、この特許はシュワーツ氏の初期の分散コンピューティング研究を示すにとどまり、XRPと直接結び付けることはできないと評価した。ジェレミー・ブシャード氏も、暗号学的な合意形成、追記専用の台帳、ネットワーク参加者間の同期といった現代の分散台帳の中核要素は特許に含まれていないと説明した。

今回の論点は、名称の連続性と技術の連続性を切り分けて考える必要がある点にある。RipplePayは現在のXRPにつながるブランド上の出発点とみる余地はあるものの、技術的な原型ではない。XRPLとXRPは2012年に新たに書かれたコードを起点とするというのが、シュワーツ氏やリップル開発陣に共通する説明であり、フーガー氏をXRPの創始者とする説や1988年の特許をXRP誕生の根拠とする主張には、技術的裏付けが乏しいとの指摘が相次いでいる。

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