SBI Holdingsは、暗号資産取引所Bitbankを約467億円で買収する。買収完了後は、SBI VC Tradeとの合算で預かり資産が約1兆1000億円、口座数が約292万件となり、国内最大級の暗号資産取引所グループとなる見通しだ。
Cointelegraphが25日に報じたところによると、SBI Holdingsは完全子会社のSBICAHを通じて、BitbankのCEOであるヒロスエ・ノリユキ氏ら既存株主の持分を取得し、あわせて第三者割当による新株の引き受けも行う計画だ。
その後、BitbankがMIXIとCERESの保有株を買い戻すことで、SBI HoldingsがBitbankを間接的に100%保有する枠組みとなる。取引は規制当局の承認を経て、10月前後に完了する見通しという。
今回の買収は、取引所の規模拡大にとどまらない。SBI HoldingsはBitbankを傘下に収めることで、取引所事業の基盤と顧客層を広げるとともに、ステーブルコインやトークン化資産、オンチェーン金融商品の流通チャネル強化を狙う。
同社によると、BitbankとSBI VC Tradeを単純合算した4月末時点の預かり資産は約1兆1000億円、口座数は約292万件に達する。統合後は、預かり資産ベースで国内首位、口座数でも最大級の規模になるとみている。
Bitbankは円建て取引に強みを持つ。CoinGeckoの集計では、直近の日次取引高の多くが5000万ドル未満で推移し、BTC/JPYが全体の39.5%を占めた。XRP/JPYとETH/JPYもそれぞれ19.7%と高い比率を占めている。SBI Holdingsはこうした取引基盤を自社の金融サービスと接続し、相乗効果を高める方針だ。
今回の買収は、SBI Holdingsが進めるデジタル資産事業拡大の一環とも位置付けられる。同社は2月、Startale Groupとともに、トークン化株式や実物資産連動型資産(RWA)の24時間取引・決済を支援するレイヤー1ブロックチェーン「Strium」を公開した。
さらに24日には、円連動のステーブルコイン「JPYSC」を投入した。JPYSCはSBI新生信託銀行が発行し、SBI VC Tradeが流通を担う。
もっとも、初期段階で対応するのはSBI VC Trade内の口座間送金に限られる。SBI Holdingsは、法制度や税制面の課題解消後に、パブリックブロックチェーンへと流通範囲を広げる考えだ。
同日には、RippleとSBIグループがドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」の日本での提供も開始した。RLUSDは日本の規制承認を経て、SBI VC Tradeを通じて機関投資家と個人投資家の双方に提供が始まったという。
市場では、SBI Holdingsが取引所買収とステーブルコイン展開を並行して進め、取引、決済、トークン化資産流通を一体で押さえる戦略を本格化させているとの見方がある。
今後の焦点は、規制承認の手続きと買収完了の時期だ。Bitbankの編入が予定通り進めば、SBI Holdingsは国内最大級の顧客基盤を確保するとともに、ステーブルコインやトークン化資産の流通網も大きく広げることになる。とりわけ、円ステーブルコインJPYSCが将来的にパブリックブロックチェーン上で実際に流通できるかが、市場の関心を集めそうだ。