現物売りやETFからの資金流出、デリバティブ市場での清算が連鎖し、ビットコインは急落した。画像=Reve Ai

ビットコインが取引時間中に一時6万ドルを割り込み、暗号資産市場が大きく動揺した。デリバティブ市場では24時間で約10億ドル(約1500億円)規模の強制清算が発生。現物市場でも売りが膨らみ、投資家心理が悪化した。

ブロックチェーンメディアのCryptoSlateによると、ビットコインは25日(現地時間)、一時5万9030ドルまで下落し、2025年10月以来の安値を付けた。その後は押し目買いも入り、記事執筆時点では6万1650ドル前後まで戻したものの、戻りは限定的だった。

ビットコインは直近24時間で4%超下落した。2025年10月の高値からの下落率は50%を超える。イーサリアムも約3%下げて1650ドル近辺で推移し、Solana、BNB、Cardano、XRP、Dogecoinなど主要銘柄もそろって軟調となった。

デリバティブ市場では下げの影響が一段と大きかった。Coinglassによると、直近24時間で約17万6000人の投資家が強制清算され、清算総額は約10億ドル(約1500億円)に達した。上昇を見込んだロングの清算が7億8100万ドル(約1172億円)と大半を占め、ショートの清算は2億1100万ドル(約316億円)だった。銘柄別では、ビットコイン関連契約が約4億1700万ドル(約626億円)、イーサリアムが約2億3000万ドル(約345億円)となった。

下落は先物主導ではなく、現物市場での売りが先行した。CryptoQuantのデータでは、ビットコインが6万ドルを割り込んだ局面で、Binanceではわずか1分間に4億7000万ドル超(約705億円)相当の売りが成立。その後1時間の累計売りは12億ドル(約1800億円)を超えた。市場では、6万ドル近辺が主要な損切り水準とみなされ、売りが一気に膨らんだとの見方が出ている。

需給面でも支援材料は乏しかった。Glassnodeは、実現損失の拡大に加え、米ビットコイン現物ETFからの資金流出や、防御的なオプション取引の増加が投資家心理を大きく冷やしたと分析した。押し目買いは一部で見られたが、相場の流れを反転させるほどの勢いはなかったという。

SoSoValueの集計では、米ビットコイン現物ETFでは7週連続で資金流出基調が続き、この期間の流出額は60億ドル(約9000億円)を超えた。

市場の関心は再び米金融政策に向かっている。年初には年内の複数回の利下げが期待されていたが、足元ではその観測が大きく後退した。市場予想を上回るインフレに加え、中東情勢の緊張を背景とした経済の不確実性が続いており、米連邦準備制度理事会(Fed)が引き締め姿勢をより長く維持するとの見方が広がっている。

ドル高も重荷だ。ドル指数は101.5まで上昇し、13カ月ぶりの高水準を付けた。一般に、ドルや米国債利回りが強含む局面では、ビットコインのような無利子資産の相対的な魅力は低下しやすい。

CryptoQuantのアクセル・アドラー氏は、市場がすでに金融緩和を織り込まなくなっており、一部投資家は10月の利上げの可能性まで織り込み始めたと分析した。

一方、最終的な底入れはなお先との見方もある。Bitcoin Opportunity Fundの共同運用パートナー、ジェームズ・ラビッシュ氏は、今回の下落について、典型的な「降参売り」とは異なるとの見方を示した。真の底値は、大商いと極端な恐怖が同時に表れやすいとしたうえで、足元は買い意欲が萎縮する段階に近いと指摘した。

当面は、Fedの政策スタンス、米ビットコイン現物ETFの資金フロー、現物市場での買い戻しの回復が、ビットコイン相場反発のカギを握りそうだ。

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