ビットコインは割安圏との見方が出る一方、機関投資家の買いは広がっていない。写真=Reve AI

ビットコインが6万ドルを割り込む中、オンチェーン指標では割安圏に入ったとの見方が浮上している。ただ、現物ETFからの資金流出にドル高が重なり、機関投資家の買いは広がっていない。相場は当面、様子見ムードが続きそうだ。

CryptoSlateによると、ビットコインは25日、前夜に5万9537ドルまで下落し、6万ドルを下回った。その後も5万9000ドル台で推移している。現物市場での売りに加え、ビットコイン現物ETFからの資金流出、ドル高進行が重なり、押し目買いは限定的となっている。

オンチェーン分析会社のGlassnodeは、今回の下落について、レバレッジ解消による急落ではなく、現物需要の弱さを背景とする調整局面だと分析した。下落直前の数日間には、現物の累積出来高デルタ(CVD)が先物より速いペースで悪化し、建玉も低水準にとどまったという。

資金調達率は価格下落にもかかわらずプラスを維持した。Glassnodeは、先物主導というより、現物保有主体がポジション比率を落とした動きに近いとみている。

資金フローも弱さを裏付けた。ビットコイン現物ETFは6週連続の純流出となり、6月の調整局面では1日当たりの平均純流出額が約3億ドルに達した。累計流出額は約60億ドルに上る。

中でも6月2日には、BlackRockのIBITからだけで3億8800万ドルが流出し、2026年で最大の単日償還となった。過去の下落局面で見られた押し目買いが今回は弱いことも、相場の重荷になっている。

マクロ環境も逆風だ。6月上旬に発表された米雇用関連指標が強い内容となり、市場では利下げ期待が後退した。米2年国債利回りは4.16%まで12bp上昇し、ドルも1年ぶりの高水準を付けた。同日にはナスダック100が約5%下落し、半導体株指数も10%安となった。リスク資産全般が売られる中で、ビットコインも下押し圧力を受けた。

一方、バリュエーション面では、現在の価格が歴史的な平均水準を下回っていることが示された。Glassnodeは、ビットコインの「トゥルー・マーケット平均」を7万7000ドルと提示した。

同社はこの水準を強気相場と弱気相場の分岐点と位置付けており、足元のビットコインは「構造的弱気局面」に入ったと判断した。アクティブ投資家の平均取得コストを下回って推移しているうえ、需要も弱いという見立てだ。

損失の消化も進んでいない。90日平均の純実現損益は1日当たり約マイナス2億500万ドルで、相場全体で損失確定売りが続いていることを示している。

このため、相場の中心価格帯は7万7000ドルよりも、実現価格である5万3400ドルに引き寄せられている。Glassnodeは、現時点では5万3400ドルの方が下値の目安として機能しているとみている。

短期保有者の平均取得単価は7万1400ドルまで低下した。Glassnodeは、直近の買い手の参入価格が下がっている点を、前向きな初期シグナルと受け止めている。

もっとも、買いが市場全体に波及しているわけではない。Coinbaseの現物CVDは再びプラスに転じた一方、Binanceではマイナスが続いた。機関投資家の買いは一部で確認されたものの、海外市場の参加者はなお慎重姿勢を崩していない。

反発局面で最大の壁とされるのは、6万6800ドルから7万700ドルに集中する短期保有者のポジションだ。このレンジで買った投資家は含み損を抱えているため、価格が戻れば損益分岐点近辺で売りに回る可能性が高い。

Glassnodeは、相場が本格的に持ち直すかどうかは、この売り圧力帯を吸収できるかにかかっていると指摘した。まず7万1400ドルを回復できるかが焦点で、その後さらに7万7000ドルを上回れば、「構造的弱気」との判断を見直す基準になるとしている。

オプション市場でも防御姿勢が鮮明だ。25デルタ・スキューはすべての満期で再び上昇し、1週間物は約12%から24%へ、1カ月物は約14%から23%へ上昇した。プットオプションが、同条件のコールオプションより高いプレミアムで取引されていることを意味する。

これは、市場参加者が追加下落に備えてコストを払っているシグナルと受け止められる。

もっとも、回復の兆しが全くないわけではない。6月23日には、ビットコイン現物ETFが3920万ドルの純流入を記録した。

ただ、1日分の流入だけでトレンド転換を判断するのは難しい。まずは流出ペースが鈍るかどうかを見極める段階にある。

今後の焦点は明確だ。ETFの資金フローが安定し、Coinbaseで確認された買いが海外取引所にも広がれば、反発の条件は整う可能性がある。

逆に、現物市場での売りが続き、ETFの償還が再び強まれば、ビットコインは5万3400ドル近辺の実現価格を再度試す展開もあり得る。Glassnodeは、主要なバリュエーション指標では割安圏にあるものの、その割安感が反発につながるには、損失確定売りの縮小とETF経由の資金流入回復が必要だとみている。

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