米ハンバーガーチェーンのSteak 'n Shakeは、ビットコイン決済の導入後、決済手数料を約50%削減したと明らかにした。2025年5月の全店導入から約1年が経過した現在も、コスト削減効果が続いているという。ブロックチェーンメディアのCoinPostが24日、現地時間で報じた。
背景には、カード決済に伴う手数料負担の重さがある。外食や小売では、インターチェンジ手数料に加え、ネットワーク手数料や決済代行手数料など複数のコストが重なり、収益を圧迫しやすい。Steak 'n Shakeによると、ビットコイン決済ではこうした処理コストを半分程度まで抑えられるという。
同社は、顧客の決済手段が全面的にクレジットカードからビットコインへ切り替わった場合、年間で約600万ドル(約9億円)のコスト削減が可能になるとの試算も示した。ただ、これはあくまで想定シナリオで、現時点でのビットコイン決済の利用率は限定的としている。
市場では、ビットコイン決済が実店舗でどこまで普及するかに改めて注目が集まっている。ビットコインは価格変動が大きく、米国では決済のたびに課税対象となる可能性がある。この点は、日常的な決済手段としての普及を妨げる要因になり得る。一方で、レイヤー2技術や決済プロセッサーのインフラ整備が進み、加盟店側の導入ハードルは以前より下がったとの見方もある。
Steak 'n Shakeは決済手段として導入するだけでなく、ビットコインをブランド戦略の柱にも据えている。同社は1月、ビットコイン決済の導入後に既存店売上が大きく伸びたと公表したうえで、ビットコイン関連の販売収益を全額、戦略的なビットコイン準備金に組み入れる循環モデルを打ち出した。
当時は、1000万ドル相当(約15億円)のビットコインを追加購入した。さらに、ビットコインをテーマにしたバーガーの販売1件ごとに、オープンソース開発へ少額を寄付するプログラムも運用している。
こうした取り組みは、大手ファストフードチェーンとしては異例とみられる。同社はビットコインコミュニティを意識したマーケティングを続け、決済コストの削減とブランド差別化の両立を狙う。
もっとも、実際の普及拡大は、消費者の使い勝手や税務処理の問題に加え、ビットコイン決済比率がどこまで高まるかに左右される。焦点は削減率そのものではなく、外食の現場でカード決済をどこまで代替できるかにある。年間約600万ドルの削減が現実味を帯びるには利用率の拡大が前提であり、現時点ではコスト効率とブランド戦略の両面を検証する段階にある。