スウェーデンのヘルステック企業H100は24日、ノルウェーの投資会社Moonshot ASとNever Say Die ASの取得に向けた新株発行について株主承認を得た。取引が完了すれば、両社が保有する約2450BTCを取り込み、H100のビットコイン保有量は約3500BTCに拡大する見通しだ。欧州の上場企業では、ドイツのBitcoin Group SEに次ぐ保有規模となる可能性がある。
Cointelegraphによると、今回の承認により、H100は両社を株式交換で取得する手続きを進める。現時点でH100のビットコイン保有量は1051BTCで、取引完了後は約3倍超に増える計算だ。
取引は現金を使わない株式交換で実施する。統合後の持ち株比率は、各社が引き渡すビットコインの規模を基準に決める。H100が3月に公表した条件では、Moonshot ASとNever Say Die ASの既存株主が取引完了後の統合法人の約70%を保有し、筆頭株主となる見込みだ。
BitcoinTreasuries.comの集計ベースでも、H100は欧州上場企業の中で有力なビットコイン保有企業に浮上する見通しだ。
株式市場の反応は良好だった。H100株は24日に9.6%上昇した。一方、Yahoo Financeによれば、年初来ではなお約30%安の水準にある。
今回の取引が注目を集めるのは、上場企業によるビットコイン財務戦略を巡る環境が厳しさを増す中で進められているためだ。暗号資産相場の軟調が続き、企業によるビットコイン購入の負担は重くなっている。
実際、フランスの半導体企業Sequence Communicationsは5月、ビットコイン財務戦略を終了し、保有する658BTCを順次売却すると発表した。今後はIoT向け半導体事業に注力する方針も示している。
企業として世界最大のビットコイン保有社であるStrategyも、直近では資金調達負担が増している。今月初めには優先株STRCが目標額面の100ドルを下回り、ビットコインの購入ペースも鈍化した。4月は週当たり3万4000BTC超、5月は約2万5000BTCを購入したが、6月最初の2週間はそれぞれ約1500BTCの追加にとどまった。
CryptoQuantのキ・ヨンジュ最高経営責任者(CEO)は、「Strategyはビットコインの追加購入を一時停止し、現金流動性を回復すべきだ。購入と売却の双方に体系的な基準が必要だ」と指摘した。
こうした環境下でも、H100の取引は、上場企業がビットコインを中核的な財務資産として組み込む動きが続いていることを示す事例といえる。
もっとも、今回の拡大は現金でビットコインを直接買い増す形ではない。株式交換を通じてビットコイン保有会社を取得する枠組みであり、取引完了後には筆頭株主の交代を含めて株主構成が大きく変わる見通しだ。一般的なビットコイン購入戦略とは性格を異にする。
市場では、H100による買収が最終的に完了するかどうかに加え、この手法が欧州上場企業のビットコイン財務戦略における新たなモデルとして定着するかどうかに関心が集まっている。