Sonyは、スマートフォン向けの6400万画素イメージセンサー「LYTIA 610」を発表した。望遠カメラで弱点とされてきた解像感とAF性能の底上げを狙う製品で、量産型センサーとして初めて「RB2×2オンチップレンズピクセル構造」を採用した。
TechRadarの24日付の報道によると、LYTIA 610はスマートフォンの望遠カメラ向けに設計された新型センサー。Sonyは、新たな画素構造によって高解像度化と高速・高精度AFの両立を図ったとしている。
スマートフォンのマルチカメラ構成では、望遠カメラは広角のメインカメラに比べて見劣りしやすい領域とされてきた。多くの機種で、望遠側にはより小型のセンサーや低画素センサーが使われ、画質差が課題になっていた。
Sonyによれば、LYTIA 610の空間解像度は、同一画素サイズの従来製品比で20%以上向上した。空間解像度は、細かなディテールをどこまで鮮明に再現できるかを示す指標という。
AF性能も強化した。新しい画素構造により、高解像度と高速・高精度AFを両立し、遠距離の被写体でも高い解像感を狙えるとしている。
動画性能では、読み出し速度の向上により4K/120fps撮影と4K/60fpsのHDR撮影をサポートする。静止画に加え、望遠動画でも画質改善が期待できるという。
Sonyは、マルチカメラシステム全体の画質バランス改善にもつながると説明する。メインカメラの大型センサーと望遠カメラの間にある性能差を縮めることで、システム全体としてより一貫した画質を実現し、望遠撮影時に画質差が目立つ課題の軽減を目指す。
注目点は、こうした性能向上をセンサーサイズを変えずに実現した点だ。LYTIA 610は、一部のスマートフォン望遠カメラで採用されている「LYTIA 601」と比べて内部設計を見直した一方、センサーサイズは据え置いた。これにより、スマートフォンメーカーは新たな実装スペースを増やさずに望遠性能を引き上げられる可能性がある。
現時点で、採用端末は明らかになっていない。SonyのイメージセンサーはXperiaのほか、Apple、Google、Xiaomiなど主要スマートフォンメーカーにも供給されており、次期フラッグシップ機の望遠カメラ向け部材として注目を集めそうだ。
スマートフォンカメラの競争軸は、メインカメラ単体の性能からマルチカメラ全体の完成度へと広がっている。Sonyの新センサーが実機でどこまで望遠撮影の品質を押し上げるかが焦点になりそうだ。