現在の焼却ペースでは、XRPの総供給量を5億枚まで減らすのに約72万913年かかる――。こうした試算が示され、焼却による大幅な供給減シナリオの現実味の薄さが改めて浮き彫りになった。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが24日(現地時間)に報じたところによると、XRP Ledgerで焼却されるXRPは1日平均373枚。市場の一部で根強い供給減期待に対し、実際の焼却ペースは極めて緩やかだという。
XRPの総供給量は現在999億8000万枚。このうち327億4000万枚はエスクローにあり、672億2000万枚がすでに流通している。現在のペースを年換算すると、焼却量は約13万8000枚となる。
この前提で流通量だけを5億枚まで減らすとしても、なお膨大な時間を要する。流通中の672億2000万枚を5億枚まで縮小するには約667億2000万枚を焼却する必要があり、年13万8000枚のペースでは約48万3478年かかる計算だ。総供給量999億8000万枚を5億枚にする場合は約994億8000万枚の焼却が必要となり、所要期間は約72万913年に達する。
こうした試算は、コミュニティ内外でたびたび取り沙汰されてきた「焼却による供給減」が、少なくとも現在の仕組みの下では現実的ではないことを示している。
もっとも、XRP Ledgerの焼却メカニズムは、もともと希少性を高めるための設計ではない。2012年の開始以来、同ネットワークでは取引のたびに少量のXRPが恒久的に焼却される仕組みを採用してきたが、その主目的はネットワークのスパム防止にある。
通常時の基本手数料は1取引当たり10ドロップ、すなわち0.00001XRP。ネットワークの混雑が深刻化すると手数料は自動的に引き上げられる。需要を抑え、ネットワーク性能を安定的に維持するための仕組みで、検証者などに手数料を分配するのではなく、その相当分を焼却する構造になっている。ただ、供給量の減少という観点では、その効果は極めて小さいとみられている。
価格面では、供給量の大幅な縮小が実現した場合に限って、理論値は大きく変わる。XRPの時価総額が現在の680億ドルを維持したまま供給量が5億枚まで減れば、1枚当たり価格は約136ドルとなる。現在価格の1.10ドルに比べ、1万2263%高い水準だ。
さらに、XRPが2025年7月に記録した時価総額のピークである2150億ドルを回復し、供給量が5億枚まで減少した場合、1枚当たり価格は約430ドルまで上昇する。この場合、現在価格比の上昇率は3万8990%となる。
ただ、これらはいずれも大規模な供給縮小が実際に起きることを前提にした試算にすぎない。XRPはローンチ当初から1000億枚の固定供給として設計されており、新規発行は行われない。一方で、Rippleの経営陣や公式文書は、焼却メカニズムの目的について一貫して「希少性の創出」ではなくスパム対策との立場を示しているという。
結局のところ、現在の焼却速度だけでXRPの供給量を有意に減らすのは難しい。焼却メカニズムには長期的に供給を減らす効果があるとしても、短期的な価格を左右するほどの希少性強化策とみるのは困難だ。XRPの値動きは、焼却期待よりも実需や市場流動性、Rippleエコシステムの拡大余地に左右される可能性が高い。