米Strategyのビットコイン財務戦略を巡り、市場の警戒感が強まっている。米メディアCryptopolitanによると、著名なビットコイン懐疑派として知られる経済学者ピーター・シフ氏は24日(現地時間)、同社が「崩壊局面に入った」と主張し、株価下落と保有資産価値との乖離拡大に警鐘を鳴らした。
焦点となっているのは、Strategy株と同社が保有するビットコイン価値の差だ。MSTRは24日に103ドルまで下落し、約2年ぶりの安値を付けた。過去最高値からは81%安の水準という。
同社の優先株STRCも約13%下落し、利回りは13.2%の水準となった。
シフ氏はSNSへの投稿で、MSTRについて「ウォール街への橋渡し役だった大規模ビットコイン保有企業が崩れている」と指摘。「ビットコイン支持者は現状をあまりに楽観視している」として、株価急落と優先株の軟調な値動きを警告サインに挙げた。
Strategyは現在、84万7363BTCを保有しており、時価ベースでは約530億ドル相当とされる。一方で、株価は1株当たりのビットコイン価値を下回る水準で推移しており、足元の下落によってディスカウントはさらに拡大した。
シフ氏は、この流れが続けば、マイケル・セイラー氏が最終的に保有ビットコインの一部売却と自社株買いを迫られる可能性があるとみている。割安な株価で自社株を買い戻せば純資産価値との差は縮小し得るが、ビットコイン価格が急落すれば株価押し上げ効果は限定的になりかねないとの見方だ。
さらに、Strategyの保有規模そのものが市場の重荷になり得る点も懸念材料として挙げた。大口のビットコイン売却が実施されれば、まず価格が下押しされ、残る保有分の価値も目減りし、自社株買いの効果を打ち消す可能性があるとしている。
市場では、追加購入のペース見直しを求める声も出ている。CryptoQuantのCEOは同日、Strategyは追加購入をいったん止め、現金同等物や配当原資を厚くする選択肢を検討すべきだと主張した。
同氏は「現在のビットコイン購入は、価格上昇の触媒というより流動性を吸い上げる装置に近い」と指摘。その上で、次の強気相場では負債負担を抑えられるよう、規律ある売却の枠組みを整えるべきだと述べた。
実際、Strategyは5月26日から31日にかけて、初めて32BTCを250万ドルで売却した。ただ、セイラー氏は、この措置が長期戦略の変更を意味するものではないとしている。
また今週、同社はMSTR株を3億3550万ドル分売却し、その資金で520BTCを追加取得した。平均取得価格は6万7068ドルだった。
市場の関心は、単なる株価反発の有無にとどまらない。Strategyがビットコイン中心の財務戦略を維持しながら、拡大した株価ディスカウントと資金調達負担をどう管理するかに注目が集まっている。
株価低迷が長引けば、追加のビットコイン購入より先に、保有資産の活用や資本構成の見直しが問われる局面に入る可能性がある。
シフ氏はSNSで、「ビットコイン支持者はあまりに楽観的だ。ウォール街への橋渡しであり、最大級のビットコイン保有企業であるMSTRは崩れつつある。株価は高値から80%下落し、直近5営業日だけでも20%安だ。主力優先株STRCも約13%下落し、利回りは13.2%に達した。これ以上ないほど明確な警告だ」と投稿した。