Gartner(写真=Shutterstock)

IT市場調査会社のGartnerは24日(現地時間)、AIコーディングにかかる費用が2028年までに開発者の平均年収を上回るとの見通しを示した。大規模言語モデル(LLM)のトークン消費拡大と、料金体系の従量課金への移行が主因で、企業にとっては予算管理の難易度が一段と高まるとしている。

Gartnerは、コスト上昇の背景として、LLMのトークン消費増加と従量課金モデルへの移行を挙げた。

Gartnerのシニアアナリスト、ニティシ・ティヤギ氏は「多くの組織は、AIコーディングエージェントの活用を試験導入から本格展開へ移しつつあるが、トークン消費の増加がもたらす財務面の影響を過小評価しがちだ」と指摘した。さらに「開発者はコスト効率よりもスピードや利便性を優先する傾向がある。ガバナンスがなければ、トークン関連費用が生産性向上を上回るペースで膨らむ可能性がある」と警告した。

ユーザー単位のシートライセンスから従量課金へ移る流れも、企業の予算管理を難しくする要因だ。多くのベンダーがトークン消費量の算定方法や請求の仕組みを十分に開示しておらず、企業が費用を正確に見積もりにくい状況があるという。

ティヤギ氏は「多くの組織では、費用対効果を測る枠組みが十分に整っていない」とも述べた。そのうえで、「ソフトウェアエンジニアリングのリーダーは、予算の消化が想定以上に早く、AI関連支出の妥当性を示すことに苦慮している」と説明した。

また、トークンの過剰消費は、エージェントのワークフロー管理の不備、不必要に大きなコンテキストウィンドウ、利用最適化に向けたフィードバックの欠如とも関連していると分析した。AIコーディングベンダーが提供するコスト最適化機能についても、現時点では成熟度が低いとみている。

Gartnerはコスト管理に向け、ソフトウェアエンジニアリングのリーダーに5つの対応を求めた。具体的には、作業タイプ別にAI活用の基準を明確にすること、作業の複雑さに応じてモデルを使い分けること、不要な情報を減らしてトークン消費を最適化するコンテキストエンジニアリングを教育すること、ガバナンスとコスト統制の仕組みを導入すること、そして定例の開発会議でトークン消費の大きい作業手法を見直し、非効率を特定して改善策をチーム全体で共有すること、の5点としている。

このうちモデル選択では、単純な作業には小規模モデルを使い、複雑な作業に限ってフロンティアモデルを適用するよう促した。

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