写真=Shutterstock

Hexagonが実施した英国の成人1000人を対象とした調査で、ロボットは職場での活用には比較的前向きな見方が広がる一方、病院や学校などケアや教育の現場では慎重姿勢が根強いことが分かった。TechRadarが23日(現地時間)に報じた。

調査では、ロボットは肉体的な負荷が大きい業務や危険を伴う作業で受け入れられやすい傾向が示された。重い荷物の運搬への導入を支持する回答は56%に上り、物品の運搬・配送は38%、危険要因や危険な環境の監視は34%だった。

空港や一部のスーパー、公共空間でロボット活用が進むなか、共用スペースの清掃でも31%が導入を支持した。

一方で、共感や判断、人との相互作用が重視される分野では拒否感が目立った。回答者の82%は、患者や高齢者、子どものケアは人が担うべきだと答えた。

介護サービスの担い手としてロボットを選ぶとした回答は5%にとどまり、調査対象となった業務の中で最も低かった。

18歳未満を対象とした調査でも傾向は同様だった。重い荷物の運搬では成人より高い受容度を示したが、ケアサービスでは79%が人を好むと答え、ロボットを選べるとした回答は8%にとどまった。

こうした結果について専門家は、設問の立て方によって受け止め方が大きく変わる可能性があると指摘する。Hexagonの技術倫理学者、ブレイ・ウィットビー博士は、「ロボットに世話をしてほしいか」と問えば多くが否定する一方、「ロボットが人の自立した生活を支援すべきか」と問えば肯定的な回答が増えると説明した。

ロボットをケア全体の代替とみなすのではなく、自立を支える補助技術として捉える余地があるという見方だ。

道徳心理学の准教授ジム・エバレットも、介護施設や教室で使われるロボットは、人の代替というより補助的な装置に近いと位置付ける。ロボットにどの役割を担わせるかによって、受容の範囲は変わり得ることを示している。

調査では、ロボットに適した現場として産業分野を挙げる傾向も強かった。工場や倉庫を適地とする回答は53%だったのに対し、病院・クリニックは34%、教室は30%にとどまった。

同僚としてロボットを迎えることへの心理的な壁も浮かんだ。ロボットの同僚がいたら「興味深い」と答えた人は28%だった一方、「怖い」と答えた人は46%だった。

外見も認識に影響した。人に似た形よりも機械的な外観の方が好まれ、機械型ロボットを支持する回答は27%と、人型ロボットの14%を大きく上回った。

規制を求める声も強い。英国の成人の88%は、ロボットに許される行為を明確なルールで管理すべきだと答えた。

Hexagonの最高技術責任者(CTO)、ブルクハルト・ベーケム氏は、ロボットに任せる業務として最も適しているのは産業現場だと説明した。安全体制が比較的整っており、ガバナンスも可視化しやすいためで、製造や物流で普及が先行する背景を示しているという。

国による経験の差も、受容度の違いにつながった。日常生活でロボットに接した経験があると答えた割合は全体で30%だったが、中国では75%に達した。

家庭内でのロボット受容意向でも、中国は63%と英国の32%を上回った。ロボットへの距離感は、技術そのものだけでなく、経験不足や不慣れさにも左右されることがうかがえる。

今回の調査は、ロボット普及の鍵が単なる技術性能だけでなく、役割分担や制度設計にもあることを示した。物流、清掃、危険監視のように業務の境界が明確な分野では導入が進みやすい一方、介護や教育では、人を補完する存在としてどこまで信頼を得られるかが普及の重要な要素になりそうだ。

キーワード

#ロボット #Hexagon #英国 #職場 #介護 #教育
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.