Ethereum Foundationは、数カ月にわたって進めてきた組織再編を完了し、全体の約20%に当たる54人を削減した。新たに5つのクラスターを軸とする体制へ移行し、プロトコル強化とエコシステム支援にリソースを集中する。
同財団は再編後の組織をプロトコル層、アクセス層、ユーザー層、コミュニティ層、機関投資家層の5クラスターを中核に、運用クラスターと経営直轄チームを加えた構成へ改めた。各クラスターごとに担当領域に応じた内部体制と成果指標を設ける。財団は、今回の見直しによって当面の中核課題を遂行するための体制、活動、人員を確保したとしている。
退職者の多くは、今後数週間のうちに財団外からEthereumエコシステムへの貢献を続ける見込みだ。退職金は、勤続年数に応じた月給換算額と現地の法定基準を比較し、高い方の水準を適用する。
再編の中心にあるのがプロトコル層の強化だ。同部門はEthereumプロトコルの性能改善とスケーラビリティの確保を担う一方、検閲耐性、オープンソース、プライバシー、セキュリティといった財団が重視する特性の維持も担う。ポスト量子セキュリティ、zkEVM、レイヤー1プライバシーの研究も同部門に集約した。
アクセス層は、利用者が検証不能な仲介者に依存せずにチェーンを利用できる環境整備を担う。対象は単なる参照にとどまらず、取引、証明、委任、離脱まで含む。財団は、仲介者を経由するあらゆる経路に対して、常に仲介者を介さない代替経路を確保する「ゼロ・オプション」を基本原則に据えた。
機関投資家層は、金融機関や企業、政府、大学、非営利団体によるEthereum統合を支援する。各国の研究者や支援団体と連携し、政策・規制動向の追跡と対応も担う。技術開発に加え、制度圏との連携を独立した機能として位置付けた形だ。
今回の発表は、過去18カ月に及ぶ変化に一つの区切りを付けるものといえる。Ethereum共同創業者のビタリク・ブテリン氏は2025年1月、ジョセフ・ルービン氏らによる刷新要求を受け、大規模な指導部交代を発表した。その後、シャオウェイ・ワン氏とトマシ・スタンチャク氏が共同専務理事に就いたが、スタンチャク氏は2026年2月に退任し、ワン氏も今月退任した。ジョシ・スターク氏、プロトコルチームのティム・ベイコ氏とバルナベ・モノ氏、研究者のカール・ビク氏とジュリアン・マド氏も相次いで財団を去った。
Ethereum Foundationは今後数週間から数カ月にかけて、各クラスターの運用方法やエコシステムとの協業枠組みを追加で公表する予定だ。大規模な人員削減後、新体制の下でプロトコル開発と機関向け拡大をどう両立させるかが焦点となる。