Ethereumは価格の低迷と取引減速が続く一方で、ネットワーク利用やエコシステム内の預かり資産は拡大している。市場では、機関投資家の利用拡大が実際の資金流入につながり、トークン価格を下支えできるかが焦点となっている。Cryptopolitanが18日、報じた。
報道によると、Ethereumは2026年上期に日次360万件の取引、日次60万件のアクティブウォレットを記録した。DeFi(分散型金融)やステーブルコイン送金の主要ハブとしての地位を維持したという。
価格動向とネットワーク指標の乖離も目立った。Token Terminalの集計では、Ethereumエコシステム内の預かり資産総額は3162億ドルとなり、直近四半期比で22%以上増加した。
資産増加の背景には、レンディング、流動性供給、エアドロップ狙いのファーミング需要があったとされる。
上期の堅調な基調は、1〜3月期の好調さが土台になった。Ethereumは1〜3月期に強い動きを示し、4〜6月期も取引活動の勢いを一定程度維持した。
ロック額拡大を押し上げた要因としては、新たな資産トークン化需要が挙げられた。Ethereum上のトークン化資産は1058件に達し、保有者数は19万9156人と、1カ月で11%増加した。
実物資産連動(RWA)トークンの取引も、同期間に30%超増えた。
直近のアップグレードでガス手数料が一段と低下したことも、利用拡大の要因とされた。少額取引を行う個人投資家にとっても使いやすい環境が整ったという。
ただ、ネットワーク活動の一部はダスト攻撃に起因しており、その過程で個人ウォレットから資産が流出した事例も確認された。
Ethereumを巡っては、先行きを懸念する見方もある。Ethereum Foundationから中核エンジニアが離脱し、今後は機関需要や個人投資家の回帰、DeFiアプリの吸引力に左右されやすい構図へ変わりつつあるとの分析が出ている。
一方、Etherealizeは、Ethereumがオープンなオンチェーン構造を基盤に大規模な金融取引を取り込みつつあり、この構造はプライベートネットワークに比べて明確な優位性を持つと評価した。
もっとも、価格はこうしたネットワーク成長に追随できていない。Ethereumは2026年4〜6月期に入ってから足元までで17.2%下落し、1〜3月期も29.1%下落した。
上期中の未決済建玉(OI)は170億ドル超から100億ドルへ縮小した。恐怖・強欲指数も中立と恐怖の間で推移した。
市場参加者のリスク選好も弱まった。6月に入ってからは、クジラによる大規模なオンチェーン送金が86%減少し、個人投資家のセンチメントも上期を通じて低水準にとどまった。
価格の停滞とクジラ活動の鈍化は、Ethereumに対する市場の信認がなお強くないことを示すシグナルと受け止められている。
こうした局面で市場が注視するのは、ネットワーク価値の拡大がトークン価格に結び付くかどうかだ。より高付加価値の金融インフラとして利用が広がるなかで、機関投資家の利用増が実際の資金流入につながるかが今後の焦点となる。