SpaceX株は上場直後の急騰が一巡し、2日続落となった。浮動株の少なさを背景に短期間で買いが集中したが、今後はロックアップ解除による売り圧力の増加や、オプション市場の過熱に伴う値動きの荒さが警戒されている。
Cryptopolitanなどが報じたところによると、18日(現地時間)のSpaceX株は前日比3.57%安となった。前日も約5%下落しており、2営業日連続の下げとなった。
もっとも、IPO時の公募価格である1株135ドルと比べると、株価はなお約37%高い水準にある。今週も、米市場が祝日のジューンティーンスで休場に入る前までに約15%上昇しており、上場初期の強い上昇基調そのものが崩れたわけではない。
市場で注目されているのが、SpaceXの極めて低い浮動株比率だ。発行済み株式数は約130億株に上る一方、実際に市場で売買できる株式は約6億4000万株にとどまる。全体の5%未満にすぎない。
この限られた浮動株が、上場直後の急騰を支えた主因とみられている。買い注文が集まっても市場に出回る株数が少ないため、株価が上がりやすい構造にあったためだ。
次の焦点は、第2四半期決算の発表後に移る。業績が開示されれば、ロックアップ対象株のうち20%または30%が市場で売却可能になる可能性がある。初回の解除規模は、その時点の株価水準に左右されるという。
年内には追加の解除日程も予定されている。これまで売却できなかった既存株主に売却機会が生じることで、上場初期の株高を後押しした供給不足は和らぐ一方、市場では新たな売り圧力が意識されやすくなる。
短期的な変動要因としては、オプション市場の過熱もある。SpaceX株のオプション取引は、取引開始から3営業日で出来高が126万枚まで膨らんだ。コールとプットはいずれも約63万枚で、ほぼ同水準だった。
市場では、明確な方向感を映した取引というより、短期の値ざやを狙う売買が活発化しているとの見方が出ている。とりわけ18日満期の短期オプションが全体の半分超を占め、短期の投機資金が売買を主導したとされる。
米投資銀行Susquehanna Investment Groupの集計では、SpaceXは18日のオプション出来高で全銘柄中3位だった。これを上回ったのはNVIDIAとTeslaだけだったという。
時価総額の順位も再び入れ替わった。SpaceXは17日に一時Amazonを上回ったが、18日終値ベースの時価総額は2兆4400億ドル(約366兆円)に低下した。Amazonは2兆6200億ドル(約393兆円)となり、再びSpaceXを上回った。差は約1800億ドル(約27兆円)だった。
ガバナンス面では、新たな社外取締役が加わったものの、イーロン・マスク氏の影響力に大きな変化はない。Sequoia Capitalのロエロフ・ボタ氏が取締役会と監査委員会に加わり、取締役会の人数は8人に増えた。
一方、マスク氏は引き続き会長、最高経営責任者(CEO)、最高技術責任者(CTO)を兼務し、議決権ベースで82%超を握っているという。
長期成長への期待も引き続き投資家の関心を集めている。マスク氏は15日、自身のソーシャルメディア「X(旧Twitter)」で、「SpaceXの売上高が2030年までにおおむね1兆ドルに達するかもしれない」と投稿した。この発言は上場直後の株価急騰局面で出たが、その後、株価は2日続けて調整した。
市場の関心は、上場直後の急騰を支えた低い浮動株比率がいつ緩和されるのか、第2四半期決算後のロックアップ解除がどの規模で進むのか、そして超短期オプション中心の投機的な売買が値動きをどこまで増幅するのかに移っている。これらが今後の株価の方向性を左右する主要な変数になりそうだ。