GoogleのAIモデル「Gemini」の中核開発者として知られるノアム・シェイザー氏が、Googleを離れ、OpenAIに加わることを明らかにした。Googleに復帰してから2年足らずでの再転身となり、主要AI企業の間で研究者やエンジニアの争奪戦が一段と激しくなっていることを示した。
この動きについて、米CNBCが18日(現地時間)に報じた。シェイザー氏は同日、X(旧Twitter)への投稿でOpenAIへの移籍を公表した。
シェイザー氏はGoogleでエンジニアリング担当副社長を務め、Gemini開発を率いる中核人材の一人だった。Xでは、OpenAIに加わることになったとした上で、優れたチームと仕事ができることを楽しみにしているとコメントした。
今回の移籍は、シェイザー氏がGoogleに復帰してから2年足らずでの動きとなる。Googleは2024年8月、シェイザー氏と研究者のダニエル・デ・フレイタス氏を、DeepMindのAI組織に再び迎え入れていた。
両氏は2021年にGoogleを離れ、Character.AIを設立した。Googleが当時、両氏が主導していたチャットボットプロジェクトを積極的に推進しなかったことが退社の理由とされ、その後にCharacter.AIを立ち上げた経緯がある。
Character.AIはその後、有力AIスタートアップの一角に成長した。2024年のGoogle復帰は、こうしたCharacter.AIとの関係を背景に実現したものだった。
シェイザー氏は今回の決断について、容易なものではなかったとも説明した。会社を離れるのは難しい決断だったとした上で、Googleの優れたチームとともに築いてきた成果を誇りに思うと述べた。また、ともに働いた同僚に対しては、光栄であり喜びだったと感謝を示した。
今回の移籍は、ビッグテックと主要AI企業の間で中核研究人材の確保競争がさらに激化していることを象徴する動きといえる。AIを巡る競争は、モデル性能や製品投入に加え、研究者やエンジニアの獲得でも熱を帯びている。
Googleは数週間前の年次開発者会議「I/O」で、「Gemini 3.5 Flash」やAIエージェント「Gemini Spark」などの新製品を公開していた。Geminiの高度化を加速する局面で開発の中核人材が退社することになり、社内AI組織の運営にも変化が及ぶ可能性がある。
一方のOpenAIも、足元で組織拡大と資本市場対応を並行して進めている。OpenAIは今月初め、新規株式公開に向け、非公開で申請を行った。
シェイザー氏の合流は、OpenAIにとっては研究開発力の強化につながる一方、Googleにとっては中核人材の維持という課題を改めて浮き彫りにした。製品投入、資金調達、人材獲得の各面で競争が広がる中、両社の次の一手に注目が集まりそうだ。