資産運用会社Bitwiseは、Bitcoinが主要なバリュエーション指標でみて歴史的な割安圏にある一方、米連邦準備制度理事会(Fed)のタカ派姿勢や市場での資金争奪の強まりが買いを抑えていると分析した。
Cointelegraphが18日付で報じたところによると、BitwiseはBitcoin価格について、Mayer Multipleベースで「深刻な割安」圏にとどまっていると指摘した。
Bitwiseが注目するのは、BitcoinのMayer Multipleが1.0を下回っている点だ。Mayer Multipleは現値と200日移動平均を比較する指標で、1.0割れは過去の長期的な蓄積局面と重なるケースが多かったという。
連邦公開市場委員会(FOMC)後、Bitcoinは6万3000ドルを下回ったが、Bitwiseはこの水準をむしろ買い場と捉えている。
もっとも、価格面の割安感とは別に、資金流入の勢いは鈍い。CryptoQuantの実現時価総額(Realized Cap)の増加指標は、2025年10月30日以降、弱い伸びが続いている。
同指標の7日移動平均と59日移動平均は、2025年10〜12月期の約70から、今月17日時点でそれぞれ13.9、19.1まで低下した。Bitcoinネットワークへの新規資本流入ペースが鈍化していることを示している。
金融政策も重荷となっている。Fedは政策金利を3.5〜3.75%に据え置いた。
市場が警戒したほどのタカ派ショックは回避されたものの、ドットチャートでは年内に少なくとも1回の利上げを見込む委員が9人、2回以上を見込む委員が6人だった。Bitcoinリサーチャーのアクセル・アドラー・ジュニアは、市場が短期的な緩和よりも「高金利がより長く続く」シナリオを織り込んでいると指摘した。
市場の反応はまちまちだった。Fedの決定直後にはBitcoinに売りが膨らみ、6万6200ドルのレジスタンスで最も大きな取引が発生した。
Crypto Roverは、FOMC直後に30倍のレバレッジをかけた3850万ドル規模のBitcoinショートポジションが新たに建てられたと説明した。一方、Bitcoin投資家のゼレは、週次高値の6万7255ドルから6万3000ドル割れまで下げた動きについて、サポートラインの再確認との見方を示した。
投資市場全体では、資金争奪も強まっている。Bitwiseは、SpaceX、Anthropic、OpenAIに関連する潜在的な資金調達を含め、大型の新規株式公開(IPO)や資本調達案件のパイプラインが膨らんでいるとみている。
大型上場や資金調達は旺盛な投資需要の表れである半面、株式や暗号資産に向かうはずの流動性を吸収する要因にもなり得る。
Bitwiseは、NVIDIAのような人工知能(AI)関連株が長期トレンドに対して高いプレミアムで取引される一方、Bitcoinは相対的に割安な水準にあると評価した。ただ、高金利環境が続く限り、投機性資産に向かう資本そのものが抑えられる可能性があるとみている。
市場の関心は、割安シグナルがすぐに反発につながるかどうかよりも、引き締め的な流動性環境のなかでBitcoinが再び新規資金を呼び込めるかに移りつつある。短期的な方向感は、バリュエーションだけでなく、金利見通しと資金フローに左右される公算が大きい。