Amazon Web Services(AWS)が、独自開発のAIチップ「Trainium」の外販を検討している。TechCrunchが18日、Bloombergの報道を引用して伝えた。AWS幹部によれば、データセンター向けTrainiumの外販に向けた協議は初期段階にあるという。
Bloombergに対し、AmazonのAI部門を率いるピーター・デサンティス氏は、Trainiumを他社に販売する方向で協議を進めていると明らかにした。ただ、具体的な販売先については言及しなかった。
Amazonのアンディ・ジャシーCEOも4月上旬、株主向け書簡で自社AIチップの需要の強さに触れ、外販の可能性に言及していた。ジャシー氏は、仮にこのチップ事業が独立した事業として今年生産分をAWSと外部顧客向けに販売すれば、年間売上高は約500億ドル(約7.5兆円)に達する可能性があると説明。「需要は非常に大きく、将来的に外部企業へ販売する可能性は高い」との見方を示した。
この500億ドルという規模はNVIDIAには及ばないものの、Intelの年間売上高に匹敵する水準として注目を集めている。
AWSがこれまでAIチップの外販に慎重だった背景には、複数の事情がある。
最大の理由は、自社クラウド上でチップを提供したほうが収益機会を広げやすい点だ。AWSはチップの利用に伴うAIトークン課金に加え、AIアプリケーションの運用に必要なストレージ、セキュリティ、ネットワーク、監視などの周辺サービスも提供している。
加えて、供給不足も外販の制約になり得る。Trainiumは需要が生産ペースを上回っており、供給が追いついていない。こうした状況で外部企業向けの販売を本格化させれば、既存のAWS顧客の待機期間がさらに長引く可能性がある。