Rippleが、XRPへの依存を抑えた事業構造への転換を鮮明にしている。決済・ソフトウェア事業でXRP以外から10億ドル(約1500億円)規模の収益を目指す方針を掲げ、Mastercardとの連携でもステーブルコイン「RLUSD」を前面に打ち出した。一方で、XRP現物ETFには資金流入が続くものの、米暗号資産市場構造法案「クラリティ法」は再協議に入り、市場の不透明感はなお残っている。
RippleのCEOは、XRPを除く決済・ソフトウェア事業で10億ドル規模の収益を目指す考えを示した。XRP価格に左右される企業という見方から距離を置き、独立した収益基盤を構築する狙いだ。
こうした方針は、Mastercardとの協業でも具体化している。RippleはMastercardのAI決済ネットワークに参画したが、中心に据えたのはXRPではなくRLUSDだった。法定通貨連動型の決済手段を軸にすることで、事業の重心がトークンそのものから決済インフラへ移りつつあることを印象づけた。
Rippleは7日間でRLUSDを5590万ドル(約83億8500万円)相当バーンした。発行ペースが鈍化する局面でも、事業拡大の動きは続いている。
Ripple側は「銀行はすでに準備ができている」との認識を示し、暗号資産の導入拡大が近いと強調した。あわせてCEOは、米クラリティ法を巡りJPモルガンの事業構造を厳しく批判し、伝統的な金融機関との主導権争いも辞さない姿勢を示した。
XRPの価格見通しについては、市場の見方が大きく分かれている。ビットコインのサイクルを当てはめればXRPが24ドルまで上昇し得たとする分析が出たほか、主要指標3つで異常シグナルが確認され、最大50%の反発余地を指摘する声もあった。
その半面、弱気相場の中では大口投資家による引き出しが増加し、バイナンスだけでXRPが5億枚流出した。市場心理は2026年の最低水準まで低下したとの見方も出ている。
テクニカル分析でも見解は割れる。XRPが約800日間にわたり横ばい圏にとどまるとの慎重論がある一方、1.12ドルと1.25ドルを分岐点に反発に向かう可能性を挙げる分析もある。取引手数料は91%下落した、防衛的な見方も強まっている。
ただ、ファンダメンタルズ面では前向きな材料もある。XRPの現物ETFは5週連続で資金純流入を記録した。日本の上場企業リミックスポイントも、財務諸表でXRPを119万枚保有していると開示しており、機関投資家による採用の流れは続いている。
これまで「金融圏コイン」との批判もあったXRPだが、足元では機関投資家主導の戦略資産として再評価する動きも出ている。
米国の暗号資産市場構造法案であるクラリティ法は、今週も前進しなかった。焦点となっているのは、トランプ一族の暗号資産事業を念頭に置いた倫理条項だ。いったん暫定合意していた内容が撤回され、法案は再協議に入った。当初目標とされていた7月4日までの成立は不透明になっている。
ビットコインは6万ドルを回復したが、市場の不確実性は残る。市場では4万3000ドルが重要な支持線とみられており、Standard Charteredは今回サイクルの底値を5万9000ドルと見て、追加下落の余地を残した。
マイケル・セイラーは、新たな「1株当たりビットコイン」の算定式を提示し、「核心は株主の取り分だ」とする価値評価の考え方を打ち出した。
一方で、悲観論ばかりではない。「暗号資産は死んでいない」として、ビットコイン、XRP、カルダノ(ADA)の回復力に注目する見方が出ている。Googleでの暗号資産関連検索も急増しており、個人投資家回帰の兆しを指摘する声もある。
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキは、「現金はゴミだ」と述べ、ビットコイン、イーサリアム、金の購入を改めて訴えた。
資金の関心は、アルトコインや新たな商品にも広がりつつある。ドージコインについては、初期開発者が挙げた根拠を踏まえ、2026年末までに時価総額上位5銘柄に入る可能性が取り沙汰された。過去の強気相場のパターンを当てはめた3100%上昇シナリオも浮上している。
Standard Charteredは、ビットコインやイーサリアムを上回る上昇余地を持つ銘柄として、「40倍上昇」候補のコインを予想した。
ETF市場でも変化が出ている。ティー・ロウ・プライスの暗号資産ETFは規制上の壁を越え、シバイヌとドージコインを組み入れた。CMEとナスダックは、ビットコインからXRPまでを対象とする暗号資産指数先物の取り扱いを始めた。
また、公正取引委員会はDunamuとNaver Financialの企業結合審査を巡り、主要証券会社から意見を集めている。簡便決済、デジタル資産取引、非上場株仲介プラットフォームが一体化した場合、市場参入障壁が高まる可能性があるとの懸念が出ている。
公正取引委員会は、今回の意見照会の結果を踏まえ、企業結合の承認可否を判断する方針だ。