写真=LG Electronicsの高効率ヒートポンプ製品。左から「Multi V i」「Therma V R290 Monobloc」「Multi V s」

LG Electronicsは6月17日、欧州のヒートポンプ市場で大型案件の受注が続いていると発表した。スペイン・マドリード近郊の約1000世帯の住宅団地と、セルビア・ベオグラードの約500世帯規模の住宅レジデンスに、ヒートポンプソリューションを供給している。

スペインのマドリード近郊にあるカジェ・フエルサス・アルマダス地区には、「LG Multi V i」を導入した。高効率インバーターコンプレッサーとAIベースの制御システムを備える。

冷媒にはR32を採用した。LG Electronicsによると、地球温暖化係数は既存のR410A比で約30%にとどまり、欧州の環境基準に対応する。あわせて、競合製品より小型の「1ポート遮断バルブユニット」を採用し、居住スペースが限られる欧州住宅での設置性を高めたことも評価されたという。

セルビア・ベオグラードの住宅レジデンス「キングス・サークル」と「ザ・ワン」には、「Multi V i」と「Multi V s」を軸としたカスタムソリューションを提供している。1台の室外機で冷暖房と給湯に対応し、別途の熱回収ユニットを使わずに空調と給湯を行える構成とすることで、システムを簡素化した。

これにより、工事コストの抑制と設置効率の向上につなげたとしている。

このほかLG Electronicsは、地球温暖化係数が0.02のR290冷媒を採用した空気熱源ヒートポンプ「Therma V R290 Monobloc」も欧州市場に展開している。オランダのアイントホーフェンとリデルケルクの新規住宅団地に相次いで供給したほか、フランスやスペインなど南欧5カ国では10万世帯超への設置を完了したという。

欧州のヒートポンプ市場は、新築建築物で低炭素暖房を義務付ける電化政策や、化石燃料への依存低減を目指す欧州連合(EU)の「REPowerEU」政策を追い風に拡大が続く。欧州ヒートポンプ協会によると、2025年に欧州主要16カ国で販売されたヒートポンプは、前年比11%超の増加で263万台だった。

市場規模は2032年までに約460億ドルへ拡大する見通しだ。

LG ElectronicsでES事業本部長(社長)を務めるイ・ジェソン氏は、「欧州の住宅用ヒートポンプ顧客は、製品効率に加え、環境性能や設置のしやすさも重視している」と述べた。その上で、「多様な冷暖房ソリューションのポートフォリオとエンジニアリング力を基に差別化を図り、欧州市場での事業拡大を強化していく」とコメントした。

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